[市場動向]
日本IBM、「IBM i」を“AI Ready”なシステムにする施策を発表、「IBM ERPフレームワーク」を開発へ
2025年10月3日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
日本IBMは2025年10月2日、オフコン「IBM i」システムのユーザー企業に向けて、同システムをAI活用の基盤に位置づけて業務変革を促す施策を発表した。IBM i向け新ERPの提供、高速インメモリデータベースを用いたデータ基盤の構築、他社製サーバーで動作するCOBOLシステムの移行の3つの施策を展開する。
「IBM i」は、1988年に登場した「AS/400」の流れを汲むオフコンOSである。AS/400はその後、「iSeries」、「System i」のブランド変更を経て、2008年にIBM iとなった。現在でも多くの企業が基幹業務システムなどの稼働基盤としてIBM iシステムを運用している(図1、関連記事:IBM iに関するこれまでの製品発表・ユーザー事例)。
図1:「IBM i」の特徴(出典:日本IBM)拡大画像表示
近年のIBMは、インメモリー型RDBMS「Db2 for i」やWeb連携用のREST APIなど、今日求められるAI連携に必要な機能・技術を投入して、IBM iシステムでAIを活用するためのアップデートに取り組んでいる。今回、取り組みの一環で、IBM iシステムのユーザー企業に向けて、同システムをAI活用の基盤に位置づけて業務変革を促す3つの施策を発表した。
(1)IBM iで稼働する次世代ERP「IBM ERPフレームワーク」の提供
販売管理、生産管理、経理、給与、ワークフローなどの機能を網羅する「IBM ERPフレームワーク」をIBM iで稼働する次世代ERPとして新規開発する。企業固有の業務プロセスを簡単に反映できるように、AIでカスタマイズを支援する。
オンプレミス版とクラウド版を用意するほか、将来のIT環境での稼働(後方互換性)を担保することで、OSやデータベースの更新時の大規模な再構築作業を不要にする。2025年末にパートナー各社が導入サービスを開始する予定。
(2)高速インメモリデータベースを用いたデータ基盤の構築
Db2 for iの導入をサポートし、AIやIoTからの大量トランザクションに対応可能なデータ基盤を構築する。データウェアハウス(DWH)を用いないシンプルな構成で、基幹業務(トランザクション処理)とAI分析(オンライン分析)の両方の性能要求に応える。
(3)他社製メインフレーム/オフコンで動作するCOBOLシステム/データの移行
他社メインフレームやオフコンで稼働するCOBOLアプリケーションをIBM iシステムに短期移行するSIを提供する。合わせて既存のデータをDb2 for iに移行する。長年の業務ノウハウを組み込んだアプリケーション資産を生かしつつ、AI活用を可能にし、開発・保守を効率化する。
日本IBMは、すべての施策において、生成AIを用いたコーディング支援ツールにより、プログラムの開発・保守・デバッグにおける生産性向上を図る。また、基幹システムのデータと生成AIを連携させることで、自然言語によるデータの検索・抽出・分析を可能にして、企業にデータ活用の高度化を促し、特定の技術者に依存しない持続的な開発体制の構築を支援する。
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