[調査・レポート]
国内企業のCAIO設置率は4%、AI推進の41%をCDOが兼務─CDO Club Japan調査
2025年12月1日(月)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
CDO(最高デジタル/データ責任者)とCAIO(最高AI責任者)のコミュニティを運営する一般社団法人CDO Club Japanは2025年11月27日、国内企業によるCAIOの設置状況を調査した結果を発表した。調査では、CAIOを設置している企業の割合は4%にとどまり、AI推進の41%をCDOが兼務していることが判明した。
CDO(最高デジタル責任者および最高データ責任者)とCAIO(最高AI責任者)のコミュニティを運営するCDO Club Japanは、日本企業によるCAIOの設置状況を調査した。同組織の会員と上場企業のDX担当部署を対象に、2025年8月~10月に調査を実施し、167件の有効回答を得た。
自社におけるAI推進の責任者として最も多かったのはCDO(41%)で、AI専任のCAIOを設置している企業は4%にとどまった。この結果に、CDO Club Japanは、日本企業では「CDOがAI責任者を兼務する」モデルが実質的にスタンダードになりつつあることが明確になったとしている(図1)。
図1:AIの推進を担う主責任者の役職(出典:CDO Club Japan)拡大画像表示
図2は、企業がAIをどのように位置づけているかを聞いた結果で、66.6%が「DX戦略の一部としてAIを扱う」と回答。「AIが実質的にCDOの “変革の中核のドライバー”とされている状況を示している。責任体制・統制・投資判断がDXの推進体制に委ねられている現状が明らかになった」(同組織)。
また、AIをどのぐらい重視しているかを問うたところ、「非常に重視している」(約41%)と「ある程度重視している」(約49%)を合わせて約90%の経営層がAIの重要性を認識しているという結果になった。
図2:DX戦略とAI戦略の独立性(出典:CDO Club Japan)拡大画像表示
図3はAI施策のレポートラインの状況である。AI責任者の約71%が「経営トップ」に直接レポートしている。「AIの取り組みが一部門の技術マターではなく全社的な経営マターとして位置づけられていることが表れている。AI活用が経営変革の手段として成功するかどうかは、経営トップの本気度に左右される」(同組織)。
図3:AIのレポートライン(出典:CDO Club Japan)拡大画像表示
図4は、AI責任者に求められる役割を尋ねた結果だ。部門を横断したAI活用の推進、AI戦略策定、全社のデータ活用とガバナンス、AI技術の選定・導入、AI導入のためのトライアル、AI人材の確保と育成、AI活用のリスク管理などが上位に挙がった。
図4:AIの責任者に求められる領域(出典:CDO Club Japan)拡大画像表示
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