[市場動向]

NEC、ウォークスルー型の顔・虹彩認証技術を開発、小型カメラ1台で3m離れても認証

空港、金融、決済などでの利用を想定、2027年度に実用化へ

2025年12月5日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2025年12月3日、ウォークスルー型の顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発したと発表した。歩いている利用者を屋内外問わず高速に認証する。国境審査や空港、金融、決済など、厳格な本人確認が求められるシーンへの活用を進める。2026年度中に実証実験を行い、2027年度の実用化を目指す。

 NECは、ウォークスルー型の顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発した。歩いている利用者を屋内外問わず高速に認証する。国境審査や空港、金融、決済など、厳格な本人確認が求められるシーンへの活用を進める。2026年度中に実証実験を行い、2027年度の実用化を目指す(図1)。

図1:歩いている利用者を認証する顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術の利用イメージ(出典:NEC)
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 NECは2024年11月に、1台のカメラで撮影した画像で顔認証と虹彩認証の2つを同時に行える技術を発表している。カメラ画像で顔認証を行うと共に、顔認証で使う画像から虹彩部分を切り出した解像度の粗い画像で光彩認証を行える(図2関連記事NEC、顔認証用の小型カメラで撮影した低解像画像でも虹彩認証を可能にする技術を開発)。

図2:低解像度の画像でも虹彩認証が可能になる技術の概要(出典:NEC)
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 今回開発した技術は、小型カメラ、赤外線ライト、処理用プロセッサ、結果表示ディスプレイといった最小構成で導入可能で、特別な設備工事や大掛かりな環境整備は不要である。また、屋外や逆光、暗所、遮光による陰影がついた状況など、各種の環境下で認証精度を維持可能であることから、既存の入口やゲートなど、場所を問わずシステムを組み込める。

 自己教師による基盤モデル学習を虹彩認証に適用している。これにより、移動によるブレやよそ見、眼鏡の有無など通常は認証を妨げる悪条件下でも、生体の特徴を正確に捉えられるようにした。利用者は、装置の前で立ち止まったり、覗き込んだりする必要がなく、3メートル離れていても自然な速度で歩いている間に認証が完了するという(図3)。

図3:ウォークスルー型の顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術で認証できる人物のイメージ(出典:NEC)
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