[新製品・サービス]
メガソフト、施工手順を3DCG動画にする「土木工事4D ムービーメーカー」、点群/CAD連携で容易に作成
2025年12月11日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
メガソフトは2025年12月9日、土木建設業向け動画作成アプリケーション「土木工事4D ムービーメーカー」を提供開始した。Windows 10/11で動作する。点群やCADデータを読み込んで現場を3D化し、重機や資材の配置、手順ごとの動作設定を行うことで、施工計画の可視化や関係者への説明に利用できる動画を作成できる。価格(税込み)は買い切り型ライセンスが69万3000円など。
メガソフトの「土木工事4D ムービーメーカー」(画面1)は、施工手順を3DCG動画で可視化するWindowsアプリケーションである。Windows 10/11で動作する。
道路・河川・造成などの現場条件を基に、地形モデルに重機や資材を配置し、作業手順のアニメーション(4Dシミュレーション)を作成できる。作成した動画は、工事説明や施工計画の検討、技術提案、安全教育など多様なシーンでの活用を想定している。
画面1:「土木工事4Dムービーメーカー」の画面例。地形モデルに重機や資材を配置し、作業手順をアニメーションにできる(出典:メガソフト)拡大画像表示
簡易設計から動画編集までの一連の作業を同アプリケーションのみで完結できる。点群(注1)データやCADデータを読み込み、道路などの作成を行うことで現場を素早く3DCGで再現する。油圧ショベルやクレーンなどの主要な重機から、アスファルトフィニッシャー、サイレントパイラーのような専門性の高い構造物・付属物まで5000点以上の3D素材を収録しており、画面設計エディタ(画面2)上で、ドラッグ&ドロップ操作で素材を配置して現場のレイアウトを作成できる。
注1:点群(Point Cloud、Point Group)は、建設、防災、まちづくりなどで活用される、物体や地形の形状を表現するために3D空間上に配置された無数の点の集まり。各点にはX,Y,Z座標や色(RGB)、反射強度などの情報が付与される。3Dレーザースキャナーなどで実世界の物体(建物、地形、機械など)を計測して取得する。
画面2:「土木工事4Dムービーメーカー」の設計エディタ画面(出典:メガソフト)拡大画像表示
上記の操作で配置した各3D素材や読み込んだ3Dモデルに、動作や表示タイミングを設定することができる。施工ステップごとの時間軸編集やカメラワークの設定を行うことで、さまざまな視点からのアニメーション動画を出力する。また、複数の動画の結合やコメント挿入といった動画編集機能も標準で備えている。別途動画編集ソフトを用意することなく、視覚的にわかりやすい施工動画を作成できる。例えば、橋脚が完成していく様子や車両の移動経路、パワーショベルのアームの動作などを再現できるので、作業順序の確認や注意点の説明に役立つ。
メガソフトによると、国土交通省が進める建設現場のデジタル化において、大規模工事ではBIM/CIMの活用が進む一方、中小規模の工事では専門性の高さやコストが障壁となり、3D活用の普及が遅れているという課題があった。土木工事4D ムービーメーカーは、こうした課題に対し、専門的な知識がなくても直感的な操作で「説明のための3D」を作成できるツールとして開発された。
価格(税込み)は、買い切り型のレガシーライセンス版(インストールは1台まで)が69万3000円。サブスクリプション型のクラウドライセンス版(インストールは3台まで、同時起動は1台まで)が1年間19万8000円、以降の更新料は30日間1万4850円、365日17万6000円となっている。


































