[市場動向]
OBCとセールスフォース、奉行シリーズとSalesforce CRMの連携で協業
2008年12月17日(水)IT Leaders編集部
セールスフォース・ドットコムとオービックビジネスコンサルタント(OBC)は2008年10月15日、両社の主力商品における協業を発表した。
セールスフォースがSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)方式で提供するCRM(顧客関係管理)システム「Salesforce CRM」と、OBCのERP(統合業務管理)パッケージ「奉行V ERPシリーズ」とを連携させたソリューションを双方のパートナーを通じて販売する方針だ。両社は共同でセミナーを開催したり、既存顧客を相互に紹介したりして販売・マーケティング面での協力体制も強める。
データの連携は、テラスカイが開発したSaaS型システム連携サービス「SkyOnDemand」で実現する。新しいソリューションを使えば、例えばCRMで取引先の情報を入力する際に、奉行Vで管理している与信や売掛金といったデータを参照するといった使い方が可能になる。さらに両社は今後、奉行VとCRMの間でデータを共有するためのアダプタを開発する予定という。価格体系については現段階では未公表である。
協業に至った背景には、両社の思惑の一致がある。これまで顧客の中心だった大手企業だけでなく中小マーケットにも打って出たいセールスフォースだが、一朝一夕ではアプローチするのが難しい。その点、奉行シリーズを中心に中堅・中小企業に既にがっちり食い込んでいるOBCとの協業は魅力的だ。
一方、OBCはクラウド時代の到来を視野に入れ、パッケージ販売主体からネット経由へと徐々に事業モデルをシフトさせたいところ。その点、SaaS分野で先行しているセールスフォースと手を組むことは、OBCにとって大きな足がかりとなる。