日本ヒューレット・パッカードは2009年2月4日、ITIL v.3に基づき、構成情報の一元管理を効率化するための新製品、およびユーザーの視点でシステムのパフォーマンスを管理する新製品を発表した。これにより、ITIL v.3 CMSの概念に基づく統合運用管理が実現する。
発表された新製品は以下のとおり。
- 企業内に点在するITサービス情報の統合と共有を図る
「HP Universal CMDB 8.0」(以下、HP UCMDB) - ネットワーク上の構成要素を収集して「HP UCMDB」に構成アイテムとして格納する
「HP Discovery & Dependency Mapping 8.0」(以下、HP DDM) - ユーザーの視点でサービスレベルを監視する
「HP Business Availability Center 8.0」(以下、HP BAC) - エージェントレスのサーバー/システム監視をサポートする
「HP SiteScope 10」(以下、HP SiteScope)
製品名参考 | 最小構成価格(税込) | 販売開始予定 |
HP Universal CMDB 8.0 | 1,008万円~ | 2009年2月4日 |
HP Discovery & Dependency Mapping 8.0 | 1万6,800円~ | 2009年2月4日 |
HP Business Availability Center 8.0 | 58万6,950円~ | 2009年2月4日 |
HP SiteScope 10 | 3万6,750円~ | 2009年2月4日 |
■「HP UCMDB」と「HP DDM」の特長
「HP UCMDB」は、「HP DDM」が収集した構成要素と依存関係、HPのソフトウェア製品群が管理する構成情報、他のデータベースやCSVファイル等に保管されているデータを構成アイテムとしてCMDBに格納し、Webコンソールから構成情報の可視化、レポーティング、分析等の活用を実現する構成情報管理ソフトウェア。
「HP UCMDB」は、同社ソフトウェア製品群との連携をサポート。データの同期、フェデレーション連携を行うことで、基盤となる構成情報の統合を実現し、製品間のダイナミックなデータ連携を可能にする。
このUCMDB新バージョンにより連携が強化されるBTO製品は以下のとおり。
- Project and Portfolio Management software(プロジェクトへの投資優先度等を管理)
- Business Availability Center(ユーザー視点のパフォーマンスを管理)
- Service Manager software(ITIL サービスサポートを中心としたITサービスの運用)
- Asset Manager software(IT資産の管理)
- DDM Inventory(ネットワーク上の構成情報の収集)
- Server Automation Reporter(サーバー管理の自動化)
- Storage Essential(データセンターの自動化)
- Operation Manager(サーバー/システムの監視) (予定)
- Network Node Manger(ネットワークの監視)
さらに「HP UCMDB」は、同社ソフトウェア以外の製品との連携を実現するためのAPI(Webサービス、Java)を提供。連携モジュールを開発することで、ダイナミックに、他製品からUCMDB内の構成アイテムの取得、更新、インパクト分析の実行と結果取得等、及びUCMDBから他製品の管理情報の取得が可能になり、IT運用の統合と効率化に貢献する。
「HP DDM」は「HP UCMDB」と緊密に連携し、エージェントレスで対象機器の構成情報、属性値、構成要素間の依存関係などを収集、「HP UCMDB」に格納。収集する構成情報は幅広く、サーバーやルータなどハードウェアから、SAPやOracleなどのアプリケーションやソフトウェアなど、資産情報まで対応。さらにクラスタ環境や仮想化環境にも対応する。
「HP UCMDB」と「HP DDM」を組み合わせることで、「HP DDM」が自動収集した、ネットワーク構成等ITインフラ全体とビジネス(外部向けサービスや業務システム、経理システムなど)を紐付けてマッピングすることができる。ビジネスサービスに発生した障害の原因となる変更情報の調査、変更がどのビジネスサービスに影響を与えるかのリスク分析、最新の情報に基づく複雑なITインフラの可視化、任意の条件を満たす構成アイテムの抽出や構成レポートの作成をすることが可能。
■「HP BAC」の特長
「HP BAC」は、ビジネス視点でITサービスの可用性、サービスレベルを監視するソフトウェアスイート製品。ITサービスへアクセスする実際のユーザーが体感するレスポンスを計測する「Real User Monitor」、仮想ユーザーによってレスポンスを定期的に計測する「Business Process Monitor」、J2EE、.NETなどのアプリケーションのレスポンスを計測する「Diagnostics」に加え、今回のバージョンよりメインフレームのレスポンスを計測する「Transaction Vision」および上記製品が収集する情報に基づきパフォーマンス問題の原因特定を容易にする「Problem Isolation」が加わった。
これにより、ビジネスの視点に立ったサービスレベル管理を実現するとともに、レスポンス監視とIT基盤の監視を関連付けることで、早期の問題発見や障害予測が可能になる。
■「HP SiteScope」の特長
「HP SiteScope」は、エージェントレス型のシステム監視ツール。リアルタイムにシステムの稼働状況を監視し、障害発生時には管理者にアラートを通知して回復タスクを実施することができる。監視対象は、Webサーバー、データベース、アプリケーション、ネットワーク、ストリーミング、各種リソース(CPUやメモリ、OSなど)と、高い網羅性を実現。今回のバージョンではユーザーインターフェースを一新し使い勝手が良くなるとともに、Diagnosticsとの連携も強化され、アプリケーションのレスポンス監視とシステム監視の統合が可能になり、より深い分析ができるようになる。
日本HP
http://www.hp.com/jp/
新製品情報サイト
http://www.hp.com/jp/hpsoftware/
ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2009/fy09-049.html