日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とレッドハットは2009年7月30日、高いリアルタイム性を要求される金融システム向けに、Linuxベースのプラットフォームへの移行を支援するプログラム「ReaLISM」の提供を開始すると発表した。ReaLISMは、Realtime Linux Infrastructure for Server Migrationの略。同プログラムの提供開始に合わせて、両社は「HP金融グリッドセンター」内に、「金融機関向けLinuxリアルタイムシステム構築支援オフィス」を設立し、共同で営業活動および構築支援サービスの提供を行うとのこと。
金融機関のディーリング/トレーディング業務においては、膨大な量のデータを高速かつリアルタイムに処理するシステム基盤が求められている一方で、昨今の経済状況の下ではコスト削減も必須要件となり、低コストなx86サーバーによるシステム基盤への移行が加速している。
両社は今回、インテルXeonプロセッサ5500番台を搭載する「HP ProLiantサーバー Generation 6」と、Red HatのリアルタイムOS「Red Hat Enterprise MRG Realtime」の組み合わせにより、リアルタイムの金融システム構築を支援するためのプログラム「ReaLISM」の提供を開始。日本HPが総合的なサービス提供窓口となり、リアルタイムシステムの提案とデザイン、アプリケーションのポーティング支援やチューニング支援、検証などを行う。
同プログラムにおいて、日本HPからは以下のメニューが提供される。
- リアルタイムシステムの設計
- アプリケーションのポーティング支援およびチューニング支援
- リアルタイムシステムのデリバリ
レッドハットからは、以下のメニューが提供される。
- Red Hat Enterprise MRG Realtimeおよびその技術支援
- 「金融機関向けLinuxリアルタイムシステム構築支援オフィス」へのスタッフの常駐
今後は両社の協業チームから、共同マーケティングやプリセールス、構築支援などが提供される予定で、8月20日に日本HP市ヶ谷本社で、「実機体感Day 2009」という共同セミナーが行われる。
また両社は「HP金融グリッドセンター」において同プログラムを利用した共同検証を行い、その結果をウェブなどで公開するとのこと。
「実機体感Day 2009」セミナー
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/integrity/campaign/solaris/seminar.html
「HP金融グリッドセンター」
http://h50146.www5.hp.com/solutions/industry/finance/grid/center.html
レッドハット
http://www.jp.redhat.com/