日本ユニシスは2009年10月1日、企業の重要なドキュメントに対して、人に見える透かしと人の目に見えない特殊な電子透かしを埋め込み、情報漏洩抑止や、万が一、不正に利用された場合でも流出元の特定を可能にする「iSECURE 電子透かしサービス」を2009年11月2日から販売開始すると発表した。
「iSECURE 電子透かしサービス」は、PDFファイルなどの電子ファイルに電子透かしのIDを自動的に埋め込むサービス。同サービスを利用すると、ユーザー希望する指定の電子ファイルに、可視IDと不可視の特殊なIDが埋め込まれる。その結果、電子ファイルおよびその電子ファイルを印刷したドキュメントには、可視IDと不可視の特殊なIDが埋め込まれる。この技術は、ハリウッドデジタルシネマの情報流出元を特定する先進的な技術を、企業ドキュメント用に応用したもので、企業の重要なドキュメント(機密情報、顧客情報など)の情報漏洩対策をはじめ、昨今では著作権・肖像権保護にも対応できるサービス。
同サービスは、必要に応じて利用可能でファイル数に応じた月額使用料金によるSaaS型サービスとして提供される。重要なドキュメントを取り扱うユーザーは、高度な情報漏洩対策をリーズナブルに利用できる。また、電子透かしシステムの利用型サービスとしては、国内初となる。
同サービスは、日本ユニシスの情報セキュリティサービスシリーズ「iSECURE」のSaaS 型サービスと位置づけ、日本ユニシスのICT基盤に、アルディートの電子透かし組み込みシステムとモニック「Watermark PDF」を搭載してサービスを提供する。「Watermark PDF」は、電子透かし技術の世界トップシェアであるDigimarc社の技術を採用している。
同サービスの特長は以下のとおり。
- 電子データ、紙ドキュメントをセキュアに配布可能
企業では、社内のみならず関連会社、協力会社、下請企業を含め、設計図、金型情報、個人情報などの情報が、企業間に流通する。神によってそれらの情報が配布・流出されても、すべてに特殊な電子透かしが入っているので流出元を特定することが可能。企業グループ全体および情報のサプライチェーン全体の機密情報への意識向上と取り扱い体制の確立につながる。 - 写真、画像などにも特殊な電子透かしの埋め込みが可能(オプションサービス)
企業が持つ機密度の高い画像や、Web上に掲載する写真など各種の著作物にも特殊な電子透かしの組み込みが可能。 - 世界最高の技術と実績による信頼性
世界の20カ国以上の政府に公的証明技術として採用されているDigimarc社の特許技術を採用し、情報漏洩の抑止から流出元の特定まで一連のドキュメントセキュリティを提供。 - 安心で利便性の高いサービス
インターネットへ接続する環境があれば、本サービスを利用できる。また、ユーザーと同社のデータセンターとのデータ通信は暗号化されており、電子透かしを行うドキュメントは同社のデータセンターに保存されないため、サービスを利用する上での情報漏洩の心配がない。 - SaaS型サービスにより、サーバーやソフトウェアは不要
サーバーやソフトウェアの購入、システム構築など高額な初期導入コストをはじめ、サーバーの管理、運用は不要。同社が提供するICT基盤のサーバーやソフトウェアをサービスとして利用するだけ。サーバーの管理、運用は同社が24時間体制で行うため、ユーザーの運用負担は大幅に軽減される。
同サービスの月額料金は、サービスを利用するための「基本料金」と、電子透かし埋め込み機能である「サービス料金」の合計料金となり、月額50万円(税別)から。なお、月額契約の場合、電子透かし埋め込みが1ヶ月100ファイルまでサービス料金に含まれる。また、3ヶ月単位以上の契約の場合、1ヶ月100ファイルの制限はなくなる。
同社は、同サービスにて今後3年間で3億円の売上を目指す。
日本ユニシス
http://www.unisys.co.jp/