三菱電機は2009年11月25日、オフィスの電力消費状況を可視化/分析するためのソフトウエア群を発表した。Webポータルソフトや、電力関連データを対象としたBIシステムで構成する。オフィスビルに同ソフトを適用することで、ビル・オーナーとテナントの双方が電力消費状況を把握できるようになる。同年12月10日から順次出荷する。MELGREEN製品全体の販売目標として、年間300システムを掲げる。
三菱電機は、オフィスの電力消費状況を可視化/分析するためのソフトウエア群を発表した。2010年4月には、同ソフト群を適用したパイロットユーザー(ビルオーナー)のシステムが、三菱電機情報ネットワーク(MIND)のデータセンターで稼働を開始する。MINDおよび三菱電機では、このパイロットユーザーのケースのように運用/保守のアウトソーシングを請け負うほか、SaaS型の月額従量課金サービスの提供も予定している。SaaSサービスの提供開始時期と料金メニューは未定。
同社では、アウトソーシングやSaaSなどのようなデータセンターを介した省電力支援サービスの総称を「Green by Cloud」(クラウドによる電力コストの削減)と呼び、推進している。2015年時点の売上見込み額は、省電力事業全体の売上500億円に対し、省電力支援サービスの売上として210億円を予定。なお、2008年時点の省電力事業全体の売上額は130億円。
オフィスを対象とした省電力支援ソフト/サービスを提供する背景として同社は、オフィスにおける電力消費量が急増を挙げる。1990年度から2008年度にかけて、オフィスの消費電力は41.3%増加という。「オフィスビルに電力データの可視化/分析機能を付加することにより、ビルに入居する企業にとっては、電力コストの削減に役立つ。ビルオーナーにとっては、ビルの付加価値が向上する」(同社)。
新たに出荷するソフトウエア新製品は、それぞれ以下の通り。
「DIALCSコミュニケーションポータル」は、電力計測装置から関連情報を取り込み、Web画面で閲覧するためのWebポータル・ソフト。価格は157万5000円(税込)からで、2009年12月10日に出荷する。
「DIALCSレポート」は、月次レポートや改正省エネ法対応の報告書を作成するソフト。価格は105万円(税別)からで、2009年12月10日に出荷する。
DIALCSの2製品全体で、販売目標は2010年度から3年間で30億円。開発会社は三菱電機インフォメーションシステムズ。
「MELGREEN Lite」は、各種システムからCSV(カンマ区切り形式)データを収集/管理/分析するBIソフト。DIALCSを補完し、より大規模/長期的なデータ収集/分析を必要とするケースに向く。価格は210万円(税込)からで、2009年12月18日に出荷する。なお、今回出荷するLite版は、2009年4月から出荷している既存のMELGREEN製品群に追加した再エントリ製品となる。
(4)「EcoServer II連携アダプター」は、MELGREEN向けの機能拡張ソフトであり、電力データ収集アプライアンスサーバー機「EcoServer II」(三菱電機製)から計測データを収集できるようにする。価格は52万5000円(税込)で、2010年1月29日に出荷する。