[調査・レポート]

国内IaaS/PaaS市場は前年比18.7%増と好調、AI需要がPaaSの導入を後押し─ITR

IaaSの市場規模拡大要因にライセンス料や物価の上昇

2026年2月20日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

アイ・ティ・アール(ITR)は2026年2月19日、国内IaaS/PaaS市場における規模の推移と予測を発表した。2024年度の売上金額は前年度比18.7%増の1兆8551億8000万円だった。上位3ベンダーがいずれも前年度から20%超の高い成長率を示している。2025年度は前年度比17.6%増、5年間(2024~2029年度)のCAGRは14.6%と予測している。

 アイ・ティ・アール(ITR)は、国内IaaS/PaaS市場における規模の推移と予測を発表した。2024年度の売上金額は前年度比18.7%増の1兆8551億8000万円だった。上位3ベンダーがいずれも前年度から20%超の高い成長率を示している。2025年度は前年度比17.6%増、5年間(2024~2029年度)のCAGRは14.6%と予測している(図1)。

図1:IaaS/PaaS市場における規模の推移と予測(2023~2029年度予測)(出典:アイ・ティ・アール)
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 ITRによると、近年のIaaS市場は、米ブロードコムによるVMwareの仮想化基盤製品のライセンス料値上げに加え、エネルギー価格の高騰や物価上昇、円安の進行などを背景に、サービス利用料の改定が相次いだ。これらの動きが市場規模拡大の主要因となったという。

 また、ブロードコムがVMware製品のパートナーシップ制度を変更したことにより、今後はサービス事業者の市場撤退や売上減少が見込まれると同社は見る。「一部のユーザーは(ブロードコムのVMwareから)ハイパースケーラーの他のサービスに移行し、結果として特定のサービス事業者の売上拡大を後押しする。事業者とユーザーの双方で対策の検討が迫られており、市場構造に変化をもたらしつつある」(ITR)。

 PaaS市場については、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する基盤として、業種や企業規模を問わず導入が拡大しているという。「昨今ではAIサービスの機能強化や拡充が矢継ぎ早に実施されており、AIニーズの高まりがPaaS導入を強力に後押ししている。今後もAIサービスを中心としたPaaSの機能強化・拡充が進む。新規導入の増加に加え、既存ユーザーへのアップセルが見込まれる」(同社)。

 同社シニア・アナリストの入谷光浩氏は次のようにコメントしている。「大規模なレガシーシステムのクラウドへのモダナイゼーションが本格化しているのに加えて、AI活用が急速に拡大している。今後は、クラウド上でモダナイゼーションとAI実装を並行して推進する取り組みが加速する。ただし、こうしたニーズに応えられるのはハイパースケーラーに限定される。市場の需要は特定のサービス事業者に集中する傾向が一層強まるだろう」。

 今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2026」に基づく。同レポートは、IaaS/PaaSおよびDaaS(Desktop as a Service)市場を対象に、国内26ベンダーへの調査から、2023~2024年度売上実績および2029年度までの売上予測を掲載している。

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