ビットアイルと日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は2009年12月14日、ビットアイルが同日より提供を開始する「デジタルコンテンツ制作事業者向けオンデマンドサービス」のハードウェアに、IBMのx86サーバー「IBM System x」を採用したことを発表した。本サービスは、ビットアイルのクラウド・コンピューティング活用のためのインフラストラクチャー、ソリューションおよび支援サービス群「Cloud ISLE(クラウド・アイル)」のラインアップに、新たに追加されるデジタルコンテンツ制作業界向けのクラウドサービスである。今回、このクラウドインフラ構築において、「IBM System x」の持つHPC環境における高いエネルギー効率、信頼性、高集積性が評価され、採用に至ったものである。
「デジタルコンテンツ制作事業者向けオンデマンドサービス」は、ビットアイルのデータセンターに最新の高性能サーバによるHPC(ハイ パフォーマンス コンピューティング)環境を構築し、デジタルコンテンツ制作・編集を行う事業者に必要な量のコンピュータリソースを2カ月からという短期間利用が実現するサービスである。このサービスのハードウェアとして、HPCで実績ある「IBM System x」を採用。これにより、アニメ・ゲーム・映画など高精細化が進むコンピュータグラフィックス(CG)を用いたコンテンツを制作・編集する事業者は、過大なITインフラ投資を行うことなく、必要なときに必要な分だけ、コンテンツの制作・編集環境を利用できるようになる。
多くの分野でCGを用いたコンテンツがますます高精細化することに伴い、デジタルコンテンツの処理量やデータ容量は急激に増加しており、短期間により多くの描画処理を実行し緻密なコンテンツを制作するための高速処理が可能なシステムが重要な役割を担ってきている。複数の制作工程でピーク的に発生する膨大なITリソースへの要求に柔軟に対応できる制作基盤を実現することが、制作ならびに設備投資の観点から、デジタルコンテンツ制作業界の大きな課題になっている。業界で必要とされている高性能な環境をクラウドで提供し、必要なITリソースを、使いたいときに、使いたい分だけ利用できるようにすることで、作業の効率化と高速化のみならず、IT資産の最適化によるコストの削減も期待できる。
ビットアイルは、さまざまな業界向けに特化したクラウドサービスの拡充を目指しており、デジタルコンテンツ制作業界向けのサービスを計画していた。そしてそれは、先進的な技術でビジネスの変化や変化を先取りするための企業基盤「ダイナミック・インフラストラクチャー」を提唱するIBMのコンセプトや、HPCビジネスのさらなる拡大を狙う日本IBMの方向性と一致したという。
今後、日本IBMは、本サービスに「IBM System x」とその技術情報を継続的に提供する。またビットアイルは、当初1年間で5000万円の売上げを目指すとしている。
ビットアイルデータセンター
http://www.bit-isle.jp/service/cloudisle.html
デジタルコンテンツ制作事業者向けオンデマンドサービス
http://www.bit-isle.jp/service/detail/40
ビットアイル
http://www.bit-isle.co.jp/
IBM System x
http://www-06.ibm.com/systems/jp/x/
日本アイ・ビー・エム
http://www.ibm.com/jp/ja/