2009年4月号の本欄で「ASP、SaaS、クラウド」と題して、アプリケーション・サービスの変遷と情報システムのコモディティ化について書いた。クラウドはその後、ますます熱を帯び、行政さえもこの言葉を使うようになっている。今回はバズワードの様相さえ呈しているクラウドを再び取り上げ、アウトソーシングとしての活用のあり方を問いたい。
クラウド以前に足下を見直す
クラウド・コンピューティングは、何を対象にどの範囲がサービスとして提供されるかによって、様々な言い方が出ている。大別するとプラットフォームのクラウドとアプリケーションのクラウドがある。
前者はハードやOSを提供するもので、短期使用もできることから、開発を受託するITベンダーが利用を始めており、利用している人達に聞くと有用性は高い。内製化が遠のいている昨今ではユーザー企業の活用例はまだ少ないと思われるが、RAD(Rapid Application Development:迅速開発)ツールやアジャイル開発法の採用による内製化機運の高まりや受入検証のためのプラットフォームとして、事例が増えることは充分推測できる。「持たざる経営」の実践である。
一方のアプリケーションのクラウドは、目新しいものではない。1990年代後半から始まったYahoo!やGoogleのようなポータルサイトや検索サイトはそれと意識しないが、クラウドそのものだ。続いて2000年前後にASPが話題になり、2006年頃からはSaaSが登場した。これらもクラウドである。
そんな経緯があって昨今の「クラウド狂騒曲」へと突入したわけだが、はたしてそれでいいのか?狂騒する前に、もっと足元を見つめ直すべきではないのか?
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