エンバカデロ・テクノロジーズは2010年6月3日、.NET Framework向け開発ツールの新版「Delphi Prism 2011」を発表、同日提供を開始した。最新のVS/.NET環境に対応したほか、IDEからiPhone/iPad向けの開発を可能にするなどクロスプラットフォーム化を進めた。価格は、標準エディションで6万3000円(税込)など。
Delphi Prismは、米Microsoftのアプリケーション開発/実行環境である.NET Frameworkを対象としたIDE(統合開発環境)。米MicrosoftのIDEであるVisual Studioの開発画面(Visual Studio 2010 IDE Shellによる単独動作またはVS用プラグイン)を用いつつ、Pascalをベースに独自拡張を施したDelphi言語による開発が可能。Delphi言語で開発/ビルドした成果物を、.NET Frameworkのランタイム環境で実行できる。
新版では、開発対象のプラットフォームを拡充した。
(1)最新のVisual Studio 2010/.NET Framework 4.0の環境を利用できるようにした。(2)C#コードをインポートしてDelphi Prismコードに自動変換する機能を追加した。(3)マルチプラットフォームの.NET Framework向けIDEであるMonoDevelopを搭載した(MonoDevelopとVisual Studioの両画面から、Delphi言語など各種言語を用いた開発が可能)。
(4)Delphi PrismやMonoDevelopのIDE画面の中で、iPod Touch/iPhone/iPad向けアプリケーションを開発できるようにした(別途、米NovellのツールであるMonoTouchが必要)。MonoTouchとは、DelphiやVisual Basic、C#など.NET Framework向けに用意されている各種の言語を用いてiPad Touch/iPhone/iPad向けアプリケーションを開発するためのツール。.NET Frameworkの実行環境として、中間言語(CIL)コードとJITランタイム(CLR)からなる既存の仕組みを用いず、iPhone/iPad上で動作可能なネイティブ・コードを生成する。