NECは2010年6月22日、現場の製造プロセスの変化に迅速に対応するためにアジャイル方式を取り入れた情報基盤による「アジャイル生産現場ソリューション」を同日より発売すると発表した。
「アジャイル生産現場ソリューション」は、生産現場の製造実績を端末から入力してリアルタイムに収集、ERPなどの上位システムに適切に実績数値を上げて"見える化"することにより現場の改善を推進するもの。
従来上位工程からの作業指示書により進められていた製造管理では、不測の事態による生産計画の急な変更への対応や、翌日まとめての実績管理が行われていたためにリアルタイムな現場把握がしにくいなどの問題点があるが、同ソリューションの導入により、生産性の向上、リードタイムの短縮、在庫の削減、品質管理レベルやトレーサビリティーの飛躍的な向上が可能。
同ソリューションは、NECパーソナルプロダクツ(米沢工場、PC生産)等のNECの製造現場において、長年高い実績を挙げている生産モデルをシステム化している。
同ソリューションの特長は以下のとおり。
- 統合データベースと適切な入力手段により柔軟なシステム構築が可能
NECグループの社内システム等において長年にわたり安定稼働している統合データベース「GdFrame」を利用。普遍的な構造をもつデータベースをSQLServer上に構築。アプリケーション構築に共通的に利用できる機能などから構成され、業務アプリケーションの構築、維持運用、改造のトータルでの費用削減を実現する。
RFID、ハンディ端末、タッチパネル端末、携帯電話など、現場のニーズに応じて多様な入力手段を選択可能。 - Web画面をExcelで簡単に開発・保守が可能
Excelで画面の仕様をパラメータ設定(タイトル、ボタン、表示項目など)することにより、開発言語の知識がなくても、画面の追加・変更などがユーザ企業自身で容易に可能。 - PULL型(かんばん方式)、PUSH型の生産形態が混在する場合にも対応でき、変更も容易
業務フローの設定はVisioでフローチャートを作成することで、ユーザ企業自身で容易に可能。 - SQLServerの豊富な機能により、データ分析や他システム連携が容易に実現可能
なお同ソリューションでは、同一基盤上からの各種業務テンプレートを、今回発売した工程管理、金型管理以外にも、今後順次シリーズ化して提供する予定。
同社は、同ソリューションを組み立て・加工業を中心とする製造業を対象に、国内および中国・アジアなどに向けて販売展開する。同ソリューションの販売価格は、1000万円から。販売目標として、今後3年間で50システムを目指す。