日立製作所は2010年6月7日、生体情報による本人認証サービス「指静脈認証サービス」を発表した。指静脈の形状を基に正規のシステム利用者かどうかを認証するサービスで、偽造や「なりすまし」によるシステムの不正利用を防ぎやすい。同社が展開中のクラウドコンピューティングサービス「Harmonious Cloud」のラインアップに加え、同日に提供を始めた。
日立が運用・管理する生体認証サーバーに、システム利用者の指静脈の情報をあらかじめ登録しておく。その登録情報と、システム利用者が専用装置で読み取らせた静脈の形状をネットワーク経由で照合して本人確認する。登録済みと読み取った情報を暗号化しているだけでなく、照合時にもいっさい復号化しない。暗号化したまま照合するので、クラウド環境下でも高い安全性を確保できるとしている。
クラウドのサービスでは現在、IDとパスワードによる認証が一般的。そうした中、日立はクラウドのリスク対策の一環で、より高いセキュリティを確保したい企業からの需要を見込む。料金は個別見積もり。 (栗原)