大和証券は2010年10月から、全国に約130ある営業店に電子申請システムを展開していくことを明らかにした。アドビ システムズの「Adobe LiveCycle Enterprise Suite2」を導入。申請や上長承認といった業務プロセスの電子化に踏み切る。
従来、営業店の担当者は経費を申請する際、紙の伝票を作成していた。その後、上長の承認を経た伝票を東京の事務センターにトラックで配送。事務センターの担当者が、その内容をチェックして経費申請システムに登録していた。このため、担当者が申請した内容がシステムに反映されるまで、1週間ほどかかる場合もあった。
同社はこうした非効率を改善するため、アドビ システムズの「Adobe LiveCycle Enterprise Suite2」を導入。申請や上長承認といった業務プロセスの電子化に踏み切った。新システムにおいて、担当者は紙の伝票イメージをそのままPDF化したフォームに申請内容を入力。上長は画面上で入力済みのPDFを確認し、承認する。システムへの入力作業が営業店で完結するため、事務センターにおける登録作業や紙伝票の保管業務を撤廃できる。配送コストや紛失のリスクもなくなる。
大和証券はこうした取り組みを、「2005年から継続しているペーパーレス化の取り組みの一環」と位置づける。「今回のシステムを、社内申請業務のスタンダードにしていきたい」(高橋憲昭システム企画部長)。今後は申請用紙の書式を標準化していくという。現在、各種申請用紙は部門や営業店ごとに独自の書式を使用しており、300種類ほどある。なかには、「申請日」「作成日」など、日付の呼び方が異なるだけで内容はほぼ同じというケースもある。こうした重複を排除することにより、申請書の種類を半減できるという。