[新製品・サービス]
CA Technologies、シングルサインオンやパフォーマンス監視の製品群をリリース
2010年10月1日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部) 日川 佳三(IT Leaders編集部)
社内にWebアプリケーションが増加するのに伴い、管理者の悩みも多様化している。セキュリティや使い勝手などをどう並立するか。その一助として、CA Technologiesは2010年9月上旬、シングルサインオンやパフォーマンス監視の製品群を投入した。
ここ数年、多くの企業において、Webベースのシステムが増殖する傾向にある。業務パッケージ/独自開発のいずれも、Webアプリケーションの形態を採るケースが増えているし、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)などクラウドベースの外部アプリケーションを採用する例も徐々に拡大しているからだ。
技術進歩の時流に乗った動きとはいえ、システム担当者にしてみれば、やっかいな問題も伴う。エンドユーザーにとっての使い勝手、全社的視点でのセキュリティ、一定水準の性能維持などを並立させる上で複雑度がどんどん増しているからだ。こうした課題の解決に向けて、CA Technologiesは9月に矢継ぎ早に新製品を投入した。
[SiteMinder r12 シリーズ]
シングルサインオンを実現
2010年9月2日に発表したのが、アクセス管理用途の2製品、(1)「CA SiteMinder r12 SP2」と、(2)「CA Federation Manager r12.1」だ。
(1)は、Webアプリケーションにおける認証やシングルサインオン(SSO)を担う統合認証基盤。手軽かつ安全に複数のアプリケーションにアクセスする環境を整えることに主眼を置く。ユーザーは1つのユーザーID/パスワードで、対象システムのすべてにログインできるようになる。
同分野の製品は一般的に、「エージェント型」もしくは「リバースプロキシ型」と呼ぶ方式のいずれかをベースにするが、今回発表した新製品は2つを併用できるようにした。「既に社内にある多様なWebアプリケーションに対応できる」(プロダクトマーケティング マネージャーの金子以澄氏)。
ポリシー管理機能も強化。ユーザー単位でのポリシー設定のみならず、アプリケーション別/ロール別など、きめ細かく設定できるようにした。
(2)は、SSOを社内(単一ドメイン)にとどまらず、社外(異なるドメイン間)も含めて実現する製品。例えばオンプレミス/SaaS双方のアプリケーションに単一的にアクセスできるようになる。
ID連携には、SAML(Security Assertion Markup Language)やWS-Security、ADFS(Active Directory Federation Service)といった標準規格を利用。つまり、SaaSなど外部Webアプリケーションと連携させるには、それが上記の規格を実装している必要がある。Cisco WebEX、Google Apps、Salesforce.comをはじめ、主要なSaaSはすでに対応済みだ。
参考価格は、(1)が5000ユーザーで1500万円(税別)。(2)が連携サイト10個で1125万円(同)。
[APM 9シリーズ]
アプリの稼働状況を監視
続く9月7日には、Webアプリケーションの稼働状況を監視して性能改善に役立てるソフト「CA Application Performance Management 9」(APM)をリリースした。
同製品は、Webアプリケーション(Javaおよび.NET)の稼働性能を監視/分析する。性能のボトルネックを、大括りな「ユーザー操作の視点」から詳細な「個々のJava/.NETクラス」まで、粒度をドリルダウンしながら分析できるのが特徴。システム開発時(テスト工程)よりも、本番稼働環境の稼働状況監視で使うことを想定している。
製品を細かく見ると、アプリケーション・サーバーの性能を監視するソフト「Introscope」と、Webアプリケーションのレスポンス性能を監視するソフト「Customer Experience Manager」(CEM)をパッケージ化した構成になっている。今回の新版からは、CEM単体の販売をやめ、フル機能のAPMとサーバー・サイド専用の Introscopeの2製品体制とした。価格は、フル機能のAPMが162万 5000円(税別)から、機能下位の「Introscope 9」が120万円(同)から。 (川上、日川)