日本オラクルは2010年11月1日、「Oracle Exadata」「Oracle E-Business Suite」「Oracle Hyperion Financial Management」などのオラクル製品が、ユニクロなどを事業展開するファーストリテイリングの経営管理基盤としてグローバル導入され、稼働開始したと発表した。
発表によれば、Oracle Exadataや基幹業務アプリケーションのOracle E-Business Suiteなどのオラクル製品は、2010年2月、ファーストリテイリングが推進するグローバル・グループ業務システムの統一プロジェクト「G1プロジェクト」の中核を担うグループ共通の経営管理基盤として採用された。新経営管理基盤は2010年9月、同社の国内と海外事業の経営管理の強化と、国際財務報告書基準(IFRS)への対応を見据え、稼働を開始した。
ファーストリテイリングがオラクル製品を導入したのは、グローバル・グループ標準の経営管理基盤の構築に向け、従来のOLTP(オンライントランザクション処理)やデータウェアハウス(DWH)などの処理特性が異なるデータベースの統合、システムおよび業務間のバッチ処理の低減、事業拡大に伴うシステムの拡張性を要件として、統合ストレージソリューションのOracle Exadataの性能を高く評価したためとのこと。
また、新経営管理基盤では、会計業務や人事・給与業務向けに「Oracle E-Business Suite R12」、グループ経営管理強化と連結決算早期化向けに「Oracle Hyperion Financial Management」、他システムとの連携基盤として「Oracle Service Bus」や「Oracle WebLogic Server」を実装した。
導入にあたっては、アクセンチュアがシステムインテグレーションサービスを提供し、NTTコミュニケーションズがシステム基盤をサービスとして仮想ホスティングサービス「Biz ホスティング エンタープライズ」を提供した。
また、小売業向けアプリケーション「Oracle Retail」とOracle Exadataが、ファーストリテイリングの世界市場におけるさらなるビジネスの拡大を支える次世代情報システムとして追加採用された。
各製品の概要は以下のとおり。
- 「Oracle Exadata Database Machine」
専用筺体にデータベースサーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアがあらかじめ構成された状態で出荷され、データウェアハウス処理とオンライントランザクション処理(OLTP)の両方を統合グリッド基盤やプライベートクラウドインフラによって提供する。データベースを統合することにより、ITコスト削減やアプリケーションパフォーマンスの改善と共にビジネスでの意思決定をリアルタイムに行うことが可能。 - 「Oracle E-Business Suite R12」
財務管理や人材管理といった企業の基幹系システムから、在庫管理、生産管理、顧客管理、購買管理、コンタクトセンター、分析ツールなど、企業活動支援のための多くの機能が包括的に統合されたアプリケーション製品群。 - 「Oracle Hyperion Financial Management」
グループ全体の経営管理プロセスを1つの統合された環境でサポートする、Webベースの連結経営管理アプリケーション。収集した財務データに対して、外貨換算、会計基準の組替えや連結処理を行い、外部報告と内部管理用途のレポーティング機能や分析機能によって、組織全体での経営情報の共有を可能にする。 - 「Oracle Service Bus」
「Oracle Fusion Middleware」製品群の一部であり、「Oracle SOA Suite」の主要コンポーネント。サービス指向アーキテクチャ(SOA)に対応可能で、アプリケーションを柔軟かつ迅速に変更できるようになる。 - 「Oracle WebLogic Server」
「Oracle Fusion Middleware」製品群に含まれ、戦略的なアプリケーション・サーバーとして、Java EE環境インフラストラクチャおよびアプリケーション・グリッドの基礎となる製品。 - 「Oracle Retail」
ファッション、食品雑貨、ハードラインなど小売分野における長期的なビジョンを包含した業界アプリケーション。オラクルの戦略的買収によって揃えられた。
日本オラクル
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