建設分野(土木)の技術者として教育を受け、仕事に従事してきた筆者にとって、設計図はなくてはならないものだった。表記のための図法や記号などを学生時代から教えられ、学び、活用してきた。長く設計部門に携わってきたので、構造を示す設計図やその根拠となる計算書、設計の前提となる仕様書などは、特に日常的なドキュメントとして存在していた。
顧客のリクエストに応じて何らかの建設物を作ろうとするとき、考えている姿を表現するために、まずラフなスケッチを描く。構造の骨格を描きながらレイアウトやサイズ、バランスなどを確認し、構造計算の元になる構造や必要な付帯設備のあらましを決めていく。
スケッチをもとに構造計算を進める傍らで、基本構造図を作る。構造計算によって安全性が担保された構造図を確定していくわけである。さらに詳細な構造を設計していき、現場で施工できるように加工図などの詳細図もまとめる。搭載される設備やその基礎も、図面の形で設計する。
このようなプロセスを経て完成した設計図は、構造計算書や仕様書などとともに客先に説明するのに用いる。顧客は設計図を共通認識の道具として理解しているので、必要なら変更要求を出したり、承認を与える。その後、設計図は施工部隊にわたり、専門の工事業者とも共有されて建設物の構築が進んでいく。関係者には遍く設計図が共有されている。
古い建物で設計図が保存されていなかったりすると、特に改修工事などの時には大変苦労する。実態を計測したり調査したりしてAs-Isを確実に把握し、改めてTo-Beを設計しなければならないからである。
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