ラックは2011年1月20日、「スマートフォンセキュリティ研究所(SSL:Smartphone Security Laboratory)」を開設すると発表した。SSLは、企業の利用において個人情報や企業秘密を保持することとなる高機能携帯電話「スマートフォン」のセキュリティ、ならびにスマートフォンを活用したサービスなどに対する脅威を研究し、セキュリティ対策を支援することで安全な普及の目指すものである。
スマートフォンは、機能の豊富さと、利便性の高さから急速に普及して行くことが予想される。特に、今後の新世代端末の主流になると見られる、Android(アンドロイド)携帯電話は、オープンなプラットフォーム環境による自由度の高さから、社会サービスを含むさまざまなビジネスへの応用が予見される。その反面、Android用アプリケーションでは、市場に流通する前のセキュリティ審査も十分でなく、米SMobile Systemsの「Threat Analysis of the Android Market」によると、2割以上のアプリケーションにセキュリティ上の危険性が存在するという調査結果もある。
ラックは、セキュリティ上の不備、悪意のあるアプリケーションやサービスにより、利用者が不利益を被らないよう、安全なアプリケーションの開発プロセスの確立や、その利用方法を検討していくこと、またアプリケーションの安全が満たされているかどうかの確認が最低限必要であるとしている。
そして同社が開設するSSLは、まず始めにKDDIのビジネス向けアプリケーションを紹介する「Business App NAVI」上のアプリケーションの設計上の問題点や仕組みを点検することで、安全性を高める取り組みを開始する。なお「Business App NAVI」は、2011年1月末よりAndroidアプリケーションの紹介を開始する予定である。さらにSSLは今後、スマートフォンセキュリティに関する研究成果を活かし、ラックのセキュリティソリューションサービスの向上にも寄与して行くとしている。
なお、ラックは、企業に導入されるスマートフォンの導入支援サービスや、スマートフォンを悪用した犯罪への対策などを提供。また、国内最大級のセキュリティ監視センターJSOC(ジェイソック)が提供するネットワークセキュリティ運用・監視サービスの機能拡充も進めている。「サイバーリスク総合研究所」による総合的な研究、「JSOC」による24時間365日の高度なセキュリティ監視・分析サービスの提供、「サイバー救急センター」による情報漏えい事故などの緊急対応・支援など、先進のセキュリティテクノロジーを活用したセキュリティソリューションサービスを提供している。