データ容量は年率40%で増加 モバイル通信量は5年で26倍に 2020年に全世界で発生するデジタルデータの容量や 高速化が進むモバイル通信のトラフィック──。 企業ITの未来を示唆する興味深い数値をピックアップする。 栗原 雅/鳥越 武史 (編集部)
情報量/通信量
ITで管理・活用・流通する情報は画像や動画に広がっている。統計を見るまでもなく、ほとんどの読者は情報が爆発的に増え続けていることを日常的に実感していることだろう。米IDCは全世界のデジタルデータ総容量が年率40%以上の勢いで増加し続け、2020年に35.2ゼッタバイトに達すると予測する。また米シスコシステムズは、モバイル環境のデータトラフィックは5年で26倍に増え、2015年に月間6.3エクサバイトになるとしている。
半導体
半導体の進化からも目が離せない。国際半導体技術ロードマップ(ITRS)は「国際半導体技術ロードマップ2010年版」の中で、DRAMの容量が2024年に64GBに到達すると見込む。2011年から10年余りで16倍に進化する計算だ。プロセサのトランジスタ数にいたっては2022年に494億個超と、12年で32倍に増えると見積もっている。
環境
環境対応に目を向けると、IT活用には思いのほか多くの電力を要することに気づくはずだ。総務省等の調査を基に本誌が計算したところ、低消費電力などの技術革新が伴わなければ、国内データセンターの年間CO2排出量は2020年に1775万トンに膨れ上がる。これは2009年における鉄道と航空のCO2排出量を合計したものより大きい。