日立製作所は2012年1月12日、「日立WANアクセラレータ」を販売開始した。同製品は、WAN回線上で発生する往復遅延時間やパケットロスの影響を最小化。WAN回線の物理帯域を最大限に活用することにより、国内外の拠点間における大容量データのやりとりを高速化する装置である。
写真1:日立WANアクセラレータ(2スロットモデル)
ネットワーク性能を向上させるにはこれまで、一度送信したデータを中間記憶装置に蓄積するキャッシュ技術を用いるのが一般的だった。しかし、キャッシュ技術は、CADデータやデータベースのデータ転送といった用途には向かない。データが頻繁に更新されるからだ。そこで、WANアクセラレータは2つの技術を実装した。
1つは、通信先からの送達確認を待たずに次のTCPパケットを送信する独自アルゴリズムである。これにより、往復遅延時間が長い長距離間のデータ伝送における性能低下を抑える。もう1つの特徴は、パケットロス率を測定して、WAN回線の空き帯域をリアルタイムに推定。この推定に基づき、パケット送信量を制御する技術だ。
これらの効果を裏付ける実績もすでにある。同製品の発売に先立ち、本田技術研究所の環境を利用して実証試験を実施。その結果、日米の拠点間のファイル転送にかかる時間を従来の15分の1に短縮できた。国内拠点間においても、転送速度を4倍に向上できたという。
日立WANアクセラレータの価格は、最小構成の2スロットモデルが6000万円。出荷開始は2月29日から。 (力竹)
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