RADツールの新版発表から3カ月間のライセンス販売額が、前年同期比54%増と好調な米エンバカデロ・テクノロジーズ(Embarcadero Technologies)。開発者イベントのため来日したナイジェル・ブラウン海外担当副社長兼ジェネラルマネージャーに今後の製品強化方針を聞いた。
-DelphiやC++Bilderで構成する「RAD Studio XE2」の販売が好調だ。
ブラウン Delphiが特に貢献している。64ビットのアプリケーションを開発できる点が開発者に受け入れられた。次期版のXE3になるが、2012年第3四半期中にはC++Builderも64ビットに対応する。C++Builderの世界最大のマーケットである日本の開発者とって、大きな機能強化になるはずだ。
-XE3ではほかにどんな機能を強化する?
ブラウン コンパイラのアーキテクチャを全面的に改良する。スマートフォンなどの普及でクライアント機器が多様化する中、複数プラットフォーム向けの開発生産性を高めたいというニーズが高まっているためだ。
具体的には、DelphiやC++Builderで開発したソースをいったん中間ソースに変換したうえで、インテル製チップやARM製チップ用のコンパイラに受けわたす仕組みにする。そうすることでいずれのツールでも、1度作成したソースをWindowsやMac、iOS、Android向けにコンパイルして配布できるようになる。XE2でもWindowsとMac向けにコンパイルできるが、開発画面からコンパイラまでDelphiとC++Builderで別々の環境だった。