魚群探知機や船舶レーダーなど舶用電子機器製造大手である古野電気(本社:兵庫県西宮市)が貿易帳票管理システムを構築した。2013年3月から活用し、業務の効率化・高品質化に役立てている。製品導入を担当した富士ゼロックスが、2014年2月19日に明らかにした。新システムにより、貿易関連業務の品質を向上させるとともに、年間約1000万円のコストを削減できたという
古野電気は、連結売上高の約8割を占める舶用事業をさらに成長させるべく、新興国を中心に販路を拡大しつつある。医療・通信分野などへの事業拡大も推進中だ。一方、こうした商域・商材の拡大は、貿易業務の量的増加と複雑化をもたらした。このため、業務品質をいかに高く維持するかが大きな課題となっていた。
そこで同社は、基幹システム刷新を機に、まずプロセス改革を断行した。受注から会計処理までの貿易業務プロセスを標準化。82あったプロセスを45に削減した。さらに、従来は部門ごとに異なる書式で作成していた帳票を電子化して統合データベースで一元管理。ワークフローの自動化も実施した。これらの取り組みにより、業務品質とスピードを大幅に改善できたという。文書管理やワークフロー機能は、富士ゼロックスのソフトウェア製品をベースに開発した。
新システムは2013年3月、輸出業務において先行稼働。そこで一定の成果を出せたことから、同年11月には輸入業務に適用範囲を広げた。
情報の一元化とワークフロー自動化は、セキュリティとガバナンス強化にも貢献しているという。新システムで作成・管理する帳票類や、システムによる管理プロセスについては大阪国税局と神戸税関が承認済み。電子帳簿保存法にも対応している。
ユーザー名 | 古野電気 |
業種 | 製造 |
導入システム | 貿易帳票管理システム |
導入目的 | 貿易関連業務の効率化 |
導入時期 | 2013年3月 |
主な利用製品 | 「Apeos PEMaster Evidence Manager」(文書・証跡管理ソフト)、「Apeos PEMaster Evidence Tracker」(業務プロセス可視化ソフト)いずれも富士ゼロックス製 |