「センサーデータやログデータなど、膨大なビッグデータを迅速かつ経済的に解析したい」。そう考える企業は少なくないに違いない。そして今、クラウド技術をフル活用してそうした課題を容易に解決してくれるサービスがある。それが、業界初のクラウド型データマネジメントサービス「Treasure Data Service」である。
クラウドサービスをデータ活用に活かす
“早くて簡単”だけではない、その利点とは?
Treasure Data Serviceは、クラウドストレージ上に構築されたカラム型ストレージサービスで、並列分散処理に対応して分析処理の高速化を図っている。
その特徴は、何と言っても「クラウドベース」であるために、すぐに利用を開始できて経済的であるということである。本番運用開始までの日数は、オンプレミスのシステムの場合で半年から1年を要するのに対して、わずか2週間にすぎない。また、月額およそ30万円から本格的な利用を開始でき、拡張も容易で運用コストもかからない。
とは言え、クラウドに適していない処理もある。それは、企業の取引履歴や会計情報、個人情報など、センシティブなデータの処理である。これらのデータは、セキュリティや法律上の問題から、クラウド上での利用に二の足を踏むケースが多い。この点について鈴木氏は、「クラウドとオンプレミスのシステムは補完関係にあり、適材適所で相互に使い分けたり、連携したりすることが重要だ」と指摘する。
Treasure Data Serviceのもう1つの特徴は、トランザクションデータやPOSデータなどの構造化データだけでなく、センサーデータやログなどの非構造化データも簡単に扱えることだ。これは、利用者が事前にスキーマ設計をしなくてもデータを利用できる自動化機能によって実現されている。利用者はデータを変更する場合にもスキーマを意識する必要はない。
最新の2種類の分析エンジンを用意することによって、基礎的な分析から専門的な分析までをカバーし、ビジネス部門や開発部門の判断に役立つ情報を生成できるのも大きな特徴である。1つは、オープンソースの大規模データ分散処理ツール「Hadoop」をベースにしたバッチクエリエンジンで、全社共有の定時レポートといった現状の可視化などに利用できる。もう1つは、Treasure Query Acceleratorというアドホッククエリエンジンで、データサイエンティストが問題の原因を探索するアドホック分析などに利用できる。
さらに、自動的にログの収集・転送を行う「Treasure Agent」と呼ばれるストリームログコレクタの採用により、ほぼリアルタイムに分析を開始できるほか、業界別のソリューションテンプレートとして完成済みのKPI (Key Performance Indicator)ダッシュボードを提供しており、分析手法に精通していない初心者でも安心して利用を開始できる。
M2M、O2O、Webなどの活用分野で先進的な事例が続々誕生
クラウドベースのTreasure Data Serviceは、実際の現場ではどのように活用されているのだろうか─。最近とりわけ注目を集めているのが、機器同士でやり取りされるデータを分析するM2M分野での活用である。例えば、大手自動車関連会社の事例では、自動車内に埋め込んだ車載センサーから、「ブレーキを踏んだ」などの大量のセンサーデータを収集・分析することによって、新規商品開発の効率化に役立てている。
また、ヘルスケア関連機器会社の事例では、リストバンド型のウェアラブルデバイス・センサーから、Bluetoothでスマートフォンを経由して動作情報やエクササイズ関連の情報を収集し、分析することによって、業界での開発競争力のアップやサービスの強化に活用している。
これらの企業に、同社のサービスが採用された背景について、鈴木氏は、「大量の非構造化データを効率的かつ安価に分析できることが高く評価された結果だ」と説明する。
トレジャーデータは、このほかにも、流通小売企業が、実店舗とネットストア間の送客を実現するユーザー行動分析やレコメンドエンジンの構築に活用するO2O分野での事例。料理レシピサイトが大量のアクセスデータを元にアクセス分析やレコメンドエンジンの構築に活用したり、ネットメディアが、Webのアクセスログとメール配信データを統合したユーザー行動解析システムの構築で訪問ユーザーを倍増させることに成功したWebサイト分野での事例など、多数の先進事例を有している。
問い合わせ先
トレジャーデータ株式会社
http://www.treasuredata.com/jp/
TEL:03-4570-0771
E-mail:info@treasure-data.com
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