「日本企業がグローバル市場で真の競争力を発揮する」ことを念頭に置いた場合、サプライチェーン管理や会計、人材管理などの基幹業務を支えるIT基盤はどうあるべきだろうか――。欧米企業が導入している方法論やERPに追随し、真似をすることはその答えにならず、むしろ日本企業ならではの経営の強みを失ってしまうことになる。日本流の商習慣や企業文化に密着したエンタープライズアプリケーションが求められる。
世界のどの地域に進出した場合も
ワークスアプリケーションズがすべてサポートする
ワークスアプリケーションズとして、クラウドへの取り組みを今後もさらに加速し、強化していく考えだ。
昨今、あらゆる日本企業にとってビジネスのグローバル展開は不可避のテーマとなっているが、そこでは様々な不利な状況にも直面している。なかでも大きなハードルとなっているのが、言葉とITに関する問題である。
すでに世界各国に展開している欧米系のERPパッケージにおいても、各地域に存在する支社ごとにサービス提供がなされることや、あるいは、現状の日本におけるパッケージのアドオン開発・カスタマイズ問題のように、各国共通で利用できるシステム構築を行うことはできず、オペレーションが分断されてしまい、グローバルを横串で貫いたデータ共有やそれに基づいた分析、意思決定は困難になる。
この課題を克服するのが、システムのクラウド対応ならびにグローバルにまたがるサポート体制の強化なのだ。これは、「COMPANY」シリーズの「ユーザーコミッティ」において、企業から最も多く寄せられた要望でもある。
「お客様には、どの国や地域でシステムを利用したいのか、遠慮なくリクエストを上げてくださいと申し上げています。お客様が世界中のどこに進出した場合でも、我々はすべてサポートするとコミットしました」と牧野氏は語る。すでにアジアについては上海拠点・シンガポール拠点から、米国についてはニューヨーク拠点からサポートを提供する体制を整えており、引き続きASEAN、米国の他拠点、ヨーロッパ、中東、アフリカ、中南米へとサポート拠点を拡大していく計画だ。
また、こうしたクラウド対応やグローバルなサポート体制への取り組みは、海外に進出した日系企業のみならず、その国の現地企業に対しても同じ考えだ。
「実際に様々な現地企業にソリューションを提供する中で自信を深めたのは、日本の商習慣や企業文化に合わせて開発し、機能強化してきた「COMPANY」シリーズが、予想以上にそのまま受け入られていることです。世界で最も複雑かつ難易度の高い日本のビジネスに対応してきたことが、結果的にどんな国のビジネスにも柔軟に対応できるシステムにつながったのです」と牧野氏は語る。これにより、国に関わらず、カスタマイズなく同じパッケージを利用できるため、グローバル企業として真に必要なデータ共有や分析ができるのです。
一方では、クラウドネイティブで稼働する「COMPANY」シリーズの次世代バージョンの開発も着々と進んでいる。「エンタープライズアプリケーションの概念を変える革命的な製品です。全世界に衝撃を与えることは間違いないでしょう」と牧野氏が予告するこの製品が世に出るのは、今年10月の予定だ。
株式会社ワークスアプリケーションズ
- 設立:1996年7月
- 資本金:3,626,506千円
- 事業内容:大手企業向けERPパッケージ「COMPANY」の開発・販売・サポート
- 従業員数:2,870名(連結)※2014年4月時点