米セールスフォース・ドットコムは2014年11月13日、さまざまなデータソースをSalesforceプラットフォームにリアルタイムで統合するためのサービス「Salesforce1 Lightning Connect」を発表し、「Salesforce1 Platform」ユーザーに向けて提供を開始した。
今日、企業が競争力の高いビジネスを推進するうえで、データの統合は避けては通れない課題となっている。とりわけ、レガシーと呼ばれるバックオフィスシステムに格納されたデータを死蔵させることなく活用するためには、それらのデータと、ビジネスの最前線を担うフロント/モバイルシステムとの間で、何らかの接続・統合手段が必要だ。
Salesforce1 Platformを利用している企業は、Salesforce1 Lightning Connectを活用することで、Salesforceに、バックオフィスシステムに格納されているデータをリアルタイムに取り込んで統合し活用することが可能になる。セールスフォースは「外部のアプリケーションからSalesforce Sales Cloud1に受注データを取り込む設定を行うことで、営業部門のマネジャーは、モバイル環境でSalesforce1 Mobile Appから受注ステータスをチェックすることができる」と、営業部門での利用例を挙げている。
データの統合は、サードパーティーベンダーから提供されるLightning Connect用アダプタによって可能になる。今回、Lightning Connect用アダプタを提供するパートナーとして、インフォマティカ、ジッタービット、ミュールソフト、プログレス・ソフトウェア、スナップロジック、ソフトウェアAGといったベンダーの社名が発表されている。
併せて、新しい開発環境「Heroku External Objects for Salesforce」を使って構築されたカスタムアプリケーションとの統合もサポートされる。企業はHerokuを基盤にNodeやRuby、PHP、Javaなどの言語でアプリケーションを構築し、Lightning ConnectによってSalesforceと統合できる。
Salesforce1 Lightning Connectの基本料金は、データソースあたり月額4,000ドルとなっている。セールスフォースは、「他の統合ツールとは異なり、Lightning Connectはポイント&クリックによる容易な操作によって数分レベルで設定できる。また、古いデータがSalesforceにコピーや格納されることもない」と、Salesforce1 Lightning Connectの特徴をアピールしている。
なお、同社によれば、酒造会社のブラウン・フォーマンや、施設保守会社のHDサプライ・ファシリティーズ・メンテナンスといった大手企業が、先行導入ユーザーとしてバックオフィスシステムの再活性化を図り、ビジネスに役立てているという。