[2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」]

【第15回】ビッグデータの分類は処理プロセスによって変化する

2015年1月5日(月)入江 宏志(DACコンサルティング 代表)

2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」を取り上げる本連載。IT戦略における日本と世界の差異を見極めるための観点として、前回からビッグデータ(Big Data)の目的や特長、手法、活用シナリオと可能性、課題点、そして、あるべき姿について考えている。前回は、ビッグデータの役割について考えてみた。今回は、ビッグデータの処理プロセスとデータの分類を考えてみよう。

 筆者のIT業界での原点はプログラマーでありシステム設計者である。システムを設計する際には、「HIPO」という表現方法を使ってきた。

 HIPOとは、「Hierarchy(体系化)」「Input(入力要素)」「Process(処理)」「Output(出力項目)」の頭文字を並べたものだ。すなわち、プログラミングしたい内容を、階層構造で体系化した後に、入力要素を定義し、処理を記述する。そして、何を出力するかを決める。

 このHIPOの考え方は、ビッグデータの表現方法にも十分に適用できる。

H:体系化=データを統合し分類する
I:収集された要素の抽出=クライテリア設定を変えて何度も繰り返す
P:要素間の関係性分析=集合・因果・位置という「関係」と、展開・手順・循環という「動き」の観点で分析する
O:分析結果の加工=分析結果から意外性や具体性を見出し、メッセージとして簡潔性・感性を付加する

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