[イベントレポート]
カスタマーインサイトが導く、顧客への最良アプローチ―フィデリティ証券のデータマイニング実践
2015年4月21日(火)藤本 京子
店舗を持たずに、オンラインやコールセンターを通じて投資信託を販売するフィデリティ証券。現在、同社は顧客の購買データやコンタクト履歴から得たカスタマーインサイトから、よりよいサービスの提供につなげるデータベースマーケティング/データマイニングに注力している。2015年4月17日に都内で開催された「SAS Forum Japan 2015」の講演に立った、フィデリティ証券 カスタマー・インサイト&データ・マネジメント部 部長の江口武氏がその詳細を説明した。
「顧客を『分ける』ことで、顧客のことが『分かる』」
江口氏は、航空会社でレベニューマネジメントとデータベースマーケティングを担当した後、2013年3月にフィデリティ証券に入社。同社でもデータベースマーケティングを立ち上げて現在に至っている。SASユーザーとしては約10年の経験があるという。
昨今、顧客の消費・購買行動の動機を洞察するカスタマーインサイトに力を注ぐ企業が増えている。冒頭、江口氏は、カスタマーインサイトを得るにあたってまず重要なのはセグメンテーション(分類)だと指摘。「顧客を『分ける』ことで、顧客のことが『分かる』」のだという。
通常、顧客のセグメンテーションの際に軸となるのは性別や年代などだろう。しかし、投資信託協会の調査によると、投資信託を保有している顧客の約半数は60代以上と、すでに年齢に偏りがあるという。
そこで、「フィデリティ証券では、投資信託の購買データによるセグメンテーションを試みた」と江口氏。例えば、商品を購入してからあまり時間が経過していない顧客と、ある程度時間が経っている顧客という2つのクラスタによるセグメンテーションだ。
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