日本HP(ヒューレット・パッカード)は2015年7月2日、ビッグデータ処理に最適化したサーバー「HP Apollo 4000シリーズ」を発表した。ストレージ装置の実装密度の高さを活かし、Apache Hadoopなどソフトウェアベースの分散型ストレージを実現するためのサーバーとして提供する。
HP Apolloシリーズに追加されたのは、「HP Apollo 4200 System」と「同4530 System」の2機種。ApolloシリーズはHPC(High Performance Computing)用途の最上位機「同8000 System」などがあるが、4000シリーズは、ソフトウェア定義ストレージ(Software Defined Storage)を実現するためのサーバー用途で提供する。
そのために、Apache HadoopのディストリビュータであるClouderaとHortonwarks、分散ストレージ用ソフト専業ベンダーのScalityと提携。それぞれの製品である「Cloudera Enterprise」「Hortonworks Data Platform」「Scality Ring」を日本HPが再販し、ストレージシステムとしてサポートする。
4200 Systemは、2Uサイズのラック型サーバーで、最大224TBとなる28本の3.5インチディスクドライブ(LFF)、または50本の2.5インチディスクドライブ(SFF)を内蔵できる。4530 Systemは、4Uラック型シャーシに3台のサーバーノードと各ノード15本のLFFを搭載できる。
日本HPとしては、4000シリーズはSDSとし、そこにあるデータを分析するためのアプリケーションは、同社の高集積サーバー「HP Moonshot」上で稼働させる組み合わせを提案する。
例えばHadoopを対象にしたインフラ基盤となるひな形「HP Big Data Reference Architecture」を用意し、必要に応じてストレージとコンピュートを分けた拡張を可能にする。従来の最大2倍の処理能力を半分の物理スペースで実現することで、性能向上と同時に電力消費効率の向上や設置スペースの低減を含めたTCO(所有総コスト)の削減を可能にする。
価格は、4200 Systemが66万7000円(税別、以下同様)から、4530 Systemが229万1000円から。Cloudera Enterprise Basic Edition(1年標準時間サポート付フレックスライセンス)は26万5000円から、Scality RING(200TBベースライセンス)は961万5000円からである。