住友大阪セメントグループの住友セメントシステム開発(スミテム)は2015年7月31日、SAP製品における権限テストの自動化開発を支援するためのフレームワークを開発したと発表した。テスト工数の削減と、テストでカバーできる範囲の拡大、システムの品質向上を図る。
「SAP権限テスト自動化フレームワーク」は、テスト自動化ツール「SAP Quality Center by HP」(以下QC)を利用するためのもの。ユーザーを切り替え、トランザクション単体もしくはテストシナリオを通した権限テストを実行する。テスト結果の期待値を設定すれば、「権限があること」と「権限がないこと」の両方をチェックできる。
権限エラーの発生有無は、SAP GUI for Windowsの画面下部に表示されるメッセージテキストを解析し判定する。テスト実行ユーザーやロールを切り替え、指定したトランザクションの起動、あるいは指定したトランザクションによる登録/更新/取消/照会の可否をチェックする。トランザクションごとの権限テスト結果はExcelに出力するとともにQC上にも格納する。
これまで手動や目視で実施していた作業を自動化できるため、テスト工数を削減できる。テスト期間や工数の制約から手作業では実施できなかったデータパターンも実行可能になる。目視による人為的なミスも排除できる。同社製ソフトウェア「QC-ACCEL」を使えば、自動化開発の準備工数も削減できる。
開発済みのQCビジネスコンポーネントがある場合は、より少ない工数で開発が可能。具体的には「SAP権限テスト自動化フレームワークが提供する関数の組込み」「特定のメソッドをカスタムメソッドに置換」「権限テスト自動化用パラメータの設定」の3点で済む。