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落ち込みが続く国内PC市場、2015年Q2の出荷台数が1999年以来の低水準に─IDC

2015年8月25日(火)IT Leaders編集部

IDC Japanは2015年8月24日、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。2015年第2四半期(4月~6月)の国内クライアントPC出荷台数は、前期に引き続き大きく落ち込み、1999年第2四半期以来の低水準となっている。

 IDC Japanが今回発表した調査結果は、同社が実施したPCベンダー、ユーザー、販売チャネル企業への調査などを基に、独自の分析を行い算出したもの。ここで言う国内クライアントPC市場にはデスクトップPC、ポータブルPC(ノートPC)が含まれ、x86サーバーは含まれていないという。

 結果からは国内PC市場の現状がはっきりと浮かび上がっている。2015年第2四半期の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス向け市場が132万台(前年同期比42.1%減)で、家庭向け市場は121万台(同比27.9%減)。両市場を合わせて253万台(同比36.0%減)という結果となった。

 IDCによれば、今期の253万台という出荷台数より低かった時期を探すと、1999年第2四半期の246万台まで遡ることになるという。今期の出荷台数の大幅な落ち込みの主な要因として同社は、円安により値ごろ感が出せなかったことと、2014年のWindows XPのサポート終了による特需からの反動の2つを挙げている。

 ベンダー別の出荷実績に目を向けると、上位5社の出荷台数は前年同期比3割~5割減となる大幅なマイナス成長となっている。その中で、日本HPはマイナスの幅を抑えて前期より1.0ポイントシェアを伸ばしており、東芝と同率で3位になった。HPは、ビジネス市場で前年同期比29.3%減と他のベンダーと比べてマイナス幅が小さいことが貢献し、家庭市場では同比63.1%減だったものの、全体では37.4%減となった。また、東芝は、ビジネス市場で前年同期比44.9%減、家庭市場では同比36.3%減、全体では40.3%減だった。

 NECレノボ・ジャパングループは流通在庫に課題があり、ビジネス市場で前年同期比46.4%減、家庭市場では同比30.3%減、全体では39.2%減となった。富士通は利益重視の戦略から無理な出荷を避け、ビジネス市場で前年同期比53.2%減、家庭市場では同比39.3%減、全体では47.7%減という結果だった。デルは、ビジネス市場では中堅中小企業の不調が響き、前年同期比51.6%減、家庭市場では同比30.6%減、全体では47.5%減となっている。

図1:2015年第2四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率実績値(出典:IDC Japan、2015年8月)

 このように2015年第2四半期の国内PC市場は非常に厳しい結果となったが、ビジネス市場についてはこの先回復基調に向かうとIDCでは見ている。IDC JapanのPC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャー、片山 雅弘氏はその理由として、「Windows XPのサポート終了によって買い替えが前倒しされるといった出荷台数を減少させる要因があったものの、ビジネスで利用しているPCの稼働台数自体が減ったわけではないからだ」と説明している。同氏は、この母数が変わらなければ、再び買い替え需要が到来し、また家庭市場では、少なからずWindows 10による需要喚起も期待できると分析している。

 今回の発表は、IDCが発行する「国内PC市場 2015年第2四半期の分析と2015年~2019年の予測」(J15181310)でその詳細が報告されている。

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