インターネットエクスチェンジ(IX)/データセンターサービス事業者の米エクイニクス(Equinix)は2015年9月8日、東京都品川区に本社を置くデータセンターサービス事業者のビットアイルに対して株式公開買付け(TOB)を実施すると発表した。買収が成立すれば、エクイニクスの国内データセンター事業は施設11カ所、総ラック数1万2000台規模にまで拡大される。
エクイニクスは世界15カ国・33都市でIX/データセンターサービスを展開するグローバル事業者である。一方、ビットアイルは寺田倉庫の子会社として2000年に設立されたデータセンターサービス事業者。東京23区内の5カ所にデータセンターを構えるなど都心型データセンターサービスプロバイダーとして知られる。
今回発表された、エクイニクスによるビットアイルの株式公開買い付け(TOB)は、同社日本法人のエクイニクス・ジャパンを通じて実施される。エクイニクスはビットアイル株式の3分の2を超える株式取得を条件に、2015年9月9日から2015年10月26日にかけてTOBを実施。買付け価格は1株922円ですべて現金による取引とし、ビットアイルの完全子会社化が完了した場合の買収価格総額は333億円(約2億8000万米国ドル)となる。
エクイニクスによると、今回の公開買付けについてビットアイルの取締役会から賛同を得ており、寺田倉庫をはじめとする同社主要株主との間においても、保有する全株式について公開買付けへ応募する旨の合意を得ているという。
現在、エクイニクスは、日本国内では5拠点(東京4カ所、大阪1カ所)で「International Business Exchange(IBX)データセンター」を運営している。今回の買収が成立すると、ビットアイルが東京5カ所、大阪1カ所で運営中のデータセンターを取得し、国内のデータセンターサービス事業を東京9カ所、大阪2カ所、総ラック数1万2000台規模にまで拡大する。なお、エクイニクスは2016年第1四半期(1-3月期)に東京都内に新しいデータセンターを開設する予定であり、それを含めると、都内だけで10カ所のデータセンターを構えることになる。
また、エクイニクスは、今回の買収によってビットアイルの顧客企業は、エクイニクスのグローバルIXサービスを介して国外のクラウドサービス事業者などと即座に接続できるようになり、世界中の都市へのビジネス展開がしやすくなる、と説明している。