インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は2015年10月15日、企業のデータセンター利用に関する年次調査の最新版「データセンター調査報告書2015」を刊行し、その概要を発表した(監修:データセンター完全ガイド編集部)。同調査では、データセンター/クラウドサービスの動向や潮流、選定側であるユーザー企業の採用意欲などを探っている。
データセンターに強化してほしいのは情報セキュリティとクラウドサービス
ユーザー企業にデータセンターに強化してほしい点を問うた設問項目(図2)では、トップが「IT的セキュリティ」で、2014年度から6.6ポイント上昇し全体の40.3%が回答している。次点は「クラウドサービス」でこちらも36.3%の回答を得た。この2つは2014年度と順位が入れ替わるかたちであり、ユーザー企業の課題意識が浮き彫りになっている。
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セキュリティについては、ファシリティ面での「物理的セキュリティ」が2014年度より8.9ポイント上昇し35.8%となっている。情報セキュリティと合わせると、大半のユーザーが、データセンターにセキュリティ強化を強く求めていることがわかる。サイバー攻撃や震災、洪水、火山噴火などの自然災害といった、国内の事業継続性低下リスクが結果の背景にあると言えるだろう。
データセンターの採用で重視するのはコストと立地
調査では、ユーザー企業にデータセンターの採用にあたって重視した(重視する)点も尋ねている(図3)。結果は「コスト」が82%で最多で、「立地(自社のオフィスや事業所から近かったり、交通の便がよい)」が45%、「立地(安全性、BCP/DR)」が43%と続く。
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採用状況別に見ても、おおまかな傾向は同じだが、採用を見送った企業の場合も、「立地(自社のオフィスや事業所から近かったり、交通の便がよい)」を70%が重視し、高い比率となっている。その他の回答としては、「トップの意向」「英語対応」「FISC準拠」「採用しているシステム」などが挙げられている。
データセンター調査報告書2015の価格は、CD(PDF)版が16万円で、CDと414ページの冊子のセット版が17万円(いずれも税別)。関同調査報告書の詳細および購入方法は、インプレス総合研究所のWebページを参照されたい。