日本ヒューレット・パッカードは2015年10月27日、同社のSQLデータベース「HP Vertica」の最新版を2015年中に発売する予定だと発表した。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連データの高速分析を強化するほか、データストリーミング分析とログファイルのテキスト検索などを提供する。
「HP Vertica」の最新版では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)対応をはじめ、様々なデータを高速に分析処理するための機能強化を図る。製造プロセスの制御や、サプライチェーンの最適化、ヘルスケアモニタリング、金融リスクの管理、不正検出といった利用を見込む。デバイスやシステム、ビジネスアプリケーションなどが生成したログファイルのデータセットを収集しインデックスを生成すれば、アプリケーション障害やサイバー攻撃を検知・確認し予測し、不正アクセスの調査も可能になる。
そのために、各種のOSS(Open Source Software)との連携を強化する。1つは、分散型メッセージングシステムのOSSである「Apache Kafka」のネイティブサポート。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)などで発生するストリーミングデータを、ほぼリアルタイムで取り込んで分析できるようにする。
ORCやParquetのような一般的なHadoopフォーマットでの性能向上を図る。米Hortonworksと協力し、SQLクエリーをORCファイル上で直接実行できるアクセスレイヤーを開発した。これにより実行時間を5分の1程度に短縮したとしている。
将来計画として、分散処理基盤「Apache Spark」にHP Verticaを統合することも発表した。両者間のデータ転送速度を高める。開発者コミュニティがSparkで独自のモデルを構築し、HP Verticaで実行することで分析の高速化を可能にする。