[新たなワークスタイルを支えるUC(Unified Communications)の基礎知識]
【第6回】将来を見据えたUCの選択・展開が問われる
2016年3月7日(月)Christopher Franke(インターコール・ジャパン シニアマネージャー) 高橋 貞治(インターコール・ジャパン UCソリューションコンサルタント)
これまで述べてきたように、様々なコミュニケーションプラットフォームが提供されています。これらのツールや基盤をUC(Unified Communications)で統合することは、企業内外のコミュニケーションの促進と円滑化に向けて、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。最終回では、UCが今後、どのように発展していくかを考えてみます。
第5回までに、UC(Unified Communications)について様々な角度から見てきました。現在のUCが、アプリケーションやネットワークの相互コミュニケーションを可能にするツールであることは、これまでに紹介した通りです。さらに今後は、UCのクラウドへの展開(UCaaS:UC as a Service)や種々のデータベースとの相互接続をも実現していく可能性があります。
MS、Ciscoの2強にGoogleが追い上げ
まず、コミュニケーションプラットフォームを提供するベンダーの動きを見ておきましょう。日本では、米Microsoftと米Cisco Systemsが2大プレイヤーです。Microsoftは、モバイル端末の需要を重視し、これまでのソフトウェアだけでなくハードウェア市場にも参入し市場拡大を図っています。「Surface」やスマートフォンをデスクトップPCとしても扱える「Continuum」が、その一例です。共有スペースで活用する大型の「Surface Hub」もあります。
これに対しCiscoは、クラウドベースの新たなコラボレーションツール「Cisco Spark」を発表し、ハードウェアよりもソフトウェアにより力を入れています。Cisco Sparkは、ほぼすべてのモバイルデバイスやデスクトップデバイスからアクセスでき、場所を選ぶことなくグループチャットや仮想会議室を立ち上げられます。グループ内でのファイル共有も可能なため、プロジェクト促進においても便利なツールだといえます。
両社に加え最近は、米Googleが企業向けグループウェアを展開しながら、コラボレーションサービスプロバイダーとしてのシェアを拡大しています。各社ともクラウドサービスを展開していることは当然の展開でしょう。
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