クラウドは再び“Day 1(最初の1日)”へ、MicrosoftとGoogleの急進撃が示すマルチクラウド時代の到来
2016年4月20日(水)五味 明子(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)
2016年3月14日(米国時間)、米Amazon Web Services(AWS)が最初のクラウドサービスである「Amazon S3」をローンチしてから、ちょうど10周年を迎えた。そして今、クラウドビジネスのメインストリームでは何が起ころうとしているのか。今回は、今や世界規模で標準的なITプラットフォームになったクラウドを取り巻く環境の変化を見ていきたい。
写真1:AWSのCTOで“Cloud Father(クラウドの生みの親)”とも呼ばれるAmazonのWerner Vogels(ヴァーナー・ボーガス)氏拡大画像表示
「Amazon S3」のローンチから、ちょうど10年が経った2016年3月14日(米国時間)、クラウドの“生みの親(Cloud Father)”として名高いAmazonのCTOであるWerner Vogels(ヴァーナー・ボーガス)氏がブログ『この10年で学んだ10のこと』を公開した(写真1)。同社におけるクラウドビジネスを振り返ると同時に、その最後を「だが覚えておいてほしい。我々はまだ“Day One”、クラウド時代の最初の1日にいるということを(And remember, it is still Day One)」と結んでいる。この言葉が今、まさに現実味をもって響いてくる。
AWSの一極集中に少しずつ変化の兆し
この10年、クラウドの世界がAmazon Web Services(AWS)を中心に発展してきたことに異論を唱える向きはいないだろう。特にIaaS(Infrustructure-as-a-Service)におけるAWSのシェアは圧倒的で、その優位性が大きく揺らぐ気配はいまのところ筆者には見えてこない。クラウドという市場を創り上げたパイオニアにして、常に最新技術に果敢に挑む最強のチャレンジャーという姿勢をAWSはこの10年、ぶれることなく貫いてきた。AWSクラウドがIT業界とビジネスの世界にもたらした破壊的なパラダイムシフトの数々については触れないが、この10年のクラウドの成長はそのままAWSの成長にひもづいている。
ただここにきて、AWSによる一極集中の構図に少しずつ変化の兆しが見え始めた。もちろん、AWSが今後もクラウド市場で大きな影響力を維持し続けることは変わらないだろう。10年をかけて築いてきたクラウドのリソースは技術分野においてもビジネス分野においても余りにも膨大で、他の事業者が追いつくにはまだ差があり過ぎるからだ。
しかし、ここ1年ほどの間、クラウド事業者間の勢力争いとは別に、ユーザー側の意識が徐々にではあるが、はっきりと変化していると感じざるを得ないケースが増えている。以下に、筆者が特に米国のカンファレンス取材やユーザー企業のインタビューを通して見えてきたクラウドのトレンドをいくつか挙げる。
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