[ユーザー事例]

工場の従業員がAIシステムを内製開発─ダイハツ工業が実践する「現場起点のDX」の軌跡

現場からわき上がる“改善マインド”を生かしたAI/データ活用の進め方

2026年1月30日(金)愛甲 峻(IT Leaders編集部)

ダイハツ工業(大阪府池田市)では、工場などの現場が主体となり、AIやデータを活用した課題解決の実績を重ねている。IT/デジタルリーダーとして同社の取り組みを牽引するDX推進室 デジタル変革グループ長兼DX戦略担当の太古無限氏が「IT Leaders Tech Strategy LIVE AIエージェントの戦略化はIT部門の仕事」(2025年11月12日開催、主催:インプレス IT Leaders)に登壇。現場の課題やニーズを起点としたデジタル変革の経緯や成功事例、DX推進の要諦を明かした。

 1907(明治40)年創業のダイハツ工業は、現存する自動車メーカーの中で最も歴史が長い一社だ。「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」を企業理念とし、国内で大きなシェアを誇る軽自動車のほか、小型車や福祉車両、商用車など、人の暮らしを支える製品・サービスを展開している。従業員は連結で4万6889名を擁する(2025年3月末時点)。

 ダイハツはデータやAIを軸にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しているが、その特徴は現場主導の、リアルな課題やニーズに即した取り組みにある。DX推進室 デジタル変革グループ長 兼 DX戦略担当の太古無限氏(写真1)は、「現場が変わらないと、DXには意味がない」と強調。現場による自走化を念頭に、DX推進を担う人材育成に特に注力してきたと話す。2025年10月には、同年度末までの目標だった1000名のDX人材の育成を前倒しで達成したことを発表。新たに、2027年度までに3000名まで拡大するとの目標を掲げた。最終的には全社員のDX人材化を図る。

写真1:ダイハツ工業 DX推進室 デジタル変革グループ長 兼 DX戦略担当の太古無限氏

 ユニークなDX人材育成の取り組みの一例が、2カ月間の伴走支援プログラム「AIブートキャンプ」だ(図1)。例えば同社の京都(大山崎)工場では、プログラミング未経験者がこの研修を受け、AIやエッジコンピューティングを用いた物体検知システムを内製開発し、実装するまでに至っている。外注と比べて低コストで実装できたことが現場の自信につながり、AI活用に挑戦するなどのモチベーションを生んでいるという。

図1:AIブートキャンプの概要(出典:ダイハツ工業)
拡大画像表示

 今でこそ現場にまでデジタル活用を浸透させつつあるダイハツだが、その活動の発端は、太古氏が始めた、小規模・草の根的な活動にさかのぼる。同氏は一連の取り組みの経緯を振り返り、そこから得られた学びや気づきを語った。

●Next:仲間づくりを重視し、草の根から全社的取り組みへ

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
関連キーワード

ダイハツ工業 / 内製化 / ローコード / 人材育成 / MLOps / マシンラーニング / ディープラーニング / 自動車 / 製造

関連記事

トピックス

[Sponsored]

工場の従業員がAIシステムを内製開発─ダイハツ工業が実践する「現場起点のDX」の軌跡ダイハツ工業(大阪府池田市)では、工場などの現場が主体となり、AIやデータを活用した課題解決の実績を重ねている。IT/デジタルリーダーとして同社の取り組みを牽引するDX推進室 デジタル変革グループ長兼DX戦略担当の太古無限氏が「IT Leaders Tech Strategy LIVE AIエージェントの戦略化はIT部門の仕事」(2025年11月12日開催、主催:インプレス IT Leaders)に登壇。現場の課題やニーズを起点としたデジタル変革の経緯や成功事例、DX推進の要諦を明かした。

PAGE TOP