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リバーベッドがWANとLAN、クラウドを一気通貫でソフトウェア制御する製品を発売

2016年4月26日(火)IT Leaders編集部

WAN(ワイドエリアネットワーク)の高速化製品を提供するリバーベッドテクノロジーは、ソフトウェアによってWANの挙動を制御できる製品「SteelConnect」を発売した。”SD-WAN(ソフトウェア定義によるワイドエリアネットワーク)”と呼ばれる製品の1つだが、同社は「SteelConnectは、既存のSD-WANを大きく変革する製品」と述べている。

 SD-WANの定義は必ずしも明確ではないが、一般にはインターネット接続における通信品質の不安定さやセキュリティ面の問題を解消し、企業が業務利用できるようにする製品やサービスを指す。例えばセキュアな通信プロトコル(IPsec)で通信したり、データをキャッシュするなどして実質的に通信速度を高めたりといった機能を、ソフトウェアで制御できるようにする。

 リバーベッドのSteelConnectは、このWANに加えて企業内のLAN(拠点のリモートLANも含む)、AWSやMicrosoft AzureのようなIaaSやSaaSなどのクラウドサービスを含めて接続をソフトウェアで設定できるようにする製品だ(図1)。例えば、あるアプリケーションはインターネットで、別のアプリケーションはセキュアなIP-VPNでといった設定がSteelConnectのGUI操作で可能になる。

図1 SteelConnectの概要
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 「仮にクラウド上のアプリケーションのレスポンスが悪いとする。その時、クラウド、WAN、LANのどこに原因があるのかが分からないと対策がとれない。つまりWANやLANなどのネットワーク構成要素以上に、アプリケーション視点での高速化が重要。SteelConnectならネットワークの状態を可視化できるし、性能やセキュリティの要件をワンクリックで設定できる」(伊藤信 同社営業部長)。

 SteelConnectを構成するのは、管理ポータルソフトウェアの「Manager」、物理/仮想のセキュアWANゲートウェイ、遠隔地に設置されるリモートLANスイッチおよびWi-Fiアクセスポイントの3要素。LANスイッチやWi-Fiアクセスポイントは、ネットワークに接続するだけで設定作業をソフトウェアで行える"ゼロタッチのプロビジョニング"に対応する。

 同社はSteelConnectを段階的に拡張していく計画である。というのも今回リリースしたのは、SD-WANやリモートLAN、クラウド(AWS)を対象にした製品。今年1月に買収したSD-WAN専業ベンダーの独Ocedoの技術がベースだ。リバーベッドの既存製品であるWAN高速化の「SteelHead」や、ネットワークのトラフィックをアプリケーションごとに可視化する「SteelCentral」、データ高速化の「SteelFusion」といった製品との連携・統合は2016年中盤に予定している(図2)。

図2 製品拡充のロードマップ
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 米ガートナーによると、2015年の段階でSD-WANの普及率はわずか1%。クラウド化やモバイル、IoTの進展に伴い、2019年末には30%に達する(http://blogs.gartner.com/andrew-lerner/2015/12/15/predicting-sd-wan-adoption/)。リバーベッドは「SD-WANがないのは、エレベータのない高層ビルのようなものだ。遠からず常識になる」(伊藤氏)と、企業にSD-WANの必然性を訴求していく考えだ。

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