[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】目指す「一帯一路」、海外での存在感を高める中国の新興IT企業、ほか

2017年6月27日(火)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

2017年、中国のビデオゲーム市場規模は260億米ドルへ

―TechWeb(2017年5月5日)

 ゲーム市場調査に特化したニコパートナーズ(Niko Partners)の最新レポートによると、2017年の中国ビデオゲーム市場規模は260億米ドルに達する見込みで、2021年には350億米ドル規模に成長するとの予測を発表した。中国内のゲームユーザー数やゲームによる営業利益も急拡大を見せている。

 同レポートによると、中国ビデオゲーム市場は2018年にはモバイル端末によるユーザー数と営業利益がPC端末によるユーザー数と営業利益を上回るという。また、2021年にはモバイル端末による営業利益が中国ビデオゲーム市場全体の営業利益の58%に達する見込みという。

 同レポートでは、現在は中国総人口の44%がビデオゲームを利用しており、この比率は2021年には54%にまで上昇するという。また、インターネットユーザーの90%がビデオゲームを利用しているとのことだ。このほか、興味深い数字として、PC端末による同市場の今後5年以内での年平均成長率(CAGR)はわずか1.5%であるという。また、家庭用ゲーム機の市場シェアはわずか1.2%とのことだ。

工業・情報化省「全国一体化の国家ビックデータセンターを建設する」

―新華社(2017年5月17日)

 中国でIT政策全般を司る工業・情報化省のゼネラルエンジニアである張峰氏は2017年5月17日、同省で開催された「2017年世界電気通信の日大会」の席上、「中国は全国を一体化した国家級のビックデータセンターを建設し、公共データの開放と部門・区域を超えた基礎データ資源の共有を推進する」と発表した(訳者注:5月17日は国際電気通信連合(ITU)が1973年に制定した世界電気通信の日)。

 張氏は続けて「データの応用効率と使用価値を向上させ、同時に管理監督を強化し、個人データの違法な漏洩や売買を厳格に取り締まる。これらによって、ネットデータの安全を維持する」とコメントした。

 同省での研究によると、中国のビックデータの総量は年平均50%以上の速度で増加しており、2020年には世界のビックデータ全体の21%を占める見込みといる。中国では特にスマート医療やスマート交通などの分野での発展が期待されており、現在はビックデータの開放・共有程度の低さやデータ発掘の困難さ、および安全面などの問題が議論されている。

 張氏によると、工業・情報化省としては今後、信用情報、交通、医療、公衆衛生、雇用などの分野におけるデータの開放を優先的に進めるとしたうえで、さらなる研究開発を続けて産業向けビックデータの「成長ロードマップ」を制定し、伝統的製造業とビックデータを融合させた成長を図るという。同時に、データ資源の採集、保存、応用および開放のプロセスに関するセキュリティを強化し、電気通信やインターネットデータに関する管理細則を制定するとのことだ。

李克強首相、「中国製造2025」のさらなる推進を促す

―中国政府ポータルサイト(2017年5月19日)

 国策として推進されている「中国製造(メイドインチャイナ)2025」が公表されて2年。2017年5月17日開催の中国国務院(日本の内閣府に相当)常務会議にて、李克強首相が関連の発言を行った。

 李首相は、「中国製造2025は大企業だけを対象としたものでは決してない。したがって、関連政策の立案・支援をする際、絶対に大企業だけを対象としてはならず、中小企業対策を十分に行い、すべての企業が互いに融通し合った成長を実現しなければならない」と強調した。続けて、「多くの中小企業が『大衆創業、万衆創新』(訳者注:「みんなが起業し、みんながイノベーションを行う」の意味。中国の国家戦略の1つ)を通じてスマート製造業へと転型(進化)する。これはすでに中国製造業の『転型昇級』(訳者注:産業構造の転換と高付加価値産業へのアップグレードの意味、中国の国家戦略の1つ)における重要な動力となっている」と発言した。

 天津市のあるIT企業は、5万社近くの企業にクラウドサービスを提供し、約20万人のソフトウェアエンジニアにプラットフォームを構築している。一方、あるフォーチュングローバル500の「中央企業」(中国政府が直接監督する国有企業)では、傘下の従業員に対して「業務請負による起業」を推奨し、すでに16万人以上の従業員が起業し、2万5000人の「小CEO」を生み出した。

 李首相は、Invention(発明)とInnovation(イノベーション)の違いについても言及した。前者は主に科学的研究による発明を指し、後者は市場に新たな価値をもたらす革新を指すとしたうえで、「我々が推進している『大衆創業、万衆創新』とはまさにこの両者の有機的な融合である」と述べた。

 「ここで言う発明については、中国は世界の先進レベルと一定の格差があるが、イノベーションについては、我々には巨大な市場と豊富な人的資源があるので、これはどの国とも比較できない優勢である」と李首相。報告書を片手に握りしめて「これを一刻も早く推し進める必要がある」と産業界に向かって推進を促した。

 李首相は最後に「現在の世界では、平和的に経済成長が実現できる要素が日々増加している」と指摘し、「我々はこのえがたいチャンスをつかみ取り、中国独特の優性を発揮して、中国製造2025をさらなる高次元へと発展させていく」と語気を強めた。

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