大日本印刷(DNP)は2017年9月1日、国際ブランドのデビット機能が付いたICキャッシュカードを発行できる即時発行機を開発したと発表した。銀行の窓口などでの申し込み手続後、即時発行できるようになる。銀行や流通系クレジット業界などに向けて提供する。販売目標は、2020年度までに50億円。記事執筆時点で、銀行4行が採用を決めているという。
拡大画像表示
大日本印刷(DNP)は、ICキャッシュカードの即時発行サービスを2004年から提供している。これまでに約3200台の発行機が採用されているという。今回、国際ブランドのデビットカードの需要拡大に合わせて、国際ブランドデビットの発行機能を追加したICキャッシュカード即時発行機を開発した。
同社によると、従来、キャッシュカードを銀行窓口で申し込む場合の多くは、カードを別の場所で発行し、生活者の自宅に郵送するのに1週間程度かかっていたという。即時発行サービスの導入によって、窓口にて約3分で新規発行や紛失・破損などによる再発行が可能になる。郵送費用も削減できる。
今回開発した即時発行機では、国際ブランドデビット決済機能付きキャッシュカードに必要な磁気ストライプ(カード表面2本、裏面1本)のデータ書き込みができる。また、FeliCaなどの非接触電子マネー機能を持ったカードも発行できる。
セキュリティも高めた。即時発行機内部にある発行前のカード盗難防止のため、発行機の電源オフ時にカバーを開閉できないようロックする機能を追加した。また、データ書き込み時にエラーとなった場合、そのカードが不正利用されないよう、磁気ストライプ情報を消去する機能を追加した。
オプションで、カード枚数の自動カウント機能を追加できる。即時発行機にセンサーを搭載し、内部にあるカードの枚数をカウントする仕組み。背景について同社は、カードは重要物の扱いとなるため、銀行員が定期的に枚数を確認する必要があることを挙げる。
即時発行機の設置形態は卓上型。大きさは、幅300×高さ420×奥行き500mm。重さは約40kg。発行できる券種枚は、5種×60枚。