ヴイエムウェアは2018年5月17日、都内で説明会を開き、ネットワーク仮想化製品群「VMware NSX」の情報をアップデートした。ハイライトとして、買収した米VeloCloud NetworksのSD-WAN製品「VMware NSX SD-WAN by VeloCloud」をNSXブランドで用意した。
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VMware NSXは、ネットワークをソフトウェアで定義できるようにするSDNソフトである。VXLANを採用し、拠点をまたいだ論理的なL2ネットワークを実現できる。仮想スイッチを用いて個々の仮想サーバーのネットワークセグメントを分離してアクセスを細かく制御する機能や、負荷分散装置など各種NFV(仮想アプライアンス)も用意している。
説明会では、最新のアップデート情報を、米VMwareでクラウド&ネットワーキング担当のCTO(最高技術責任者)を務めるGuido Appenzeller(グイド・アッペンツェラー)氏が紹介した。VMware NSXシリーズを構成する製品ごとに、それぞれ強化点がある。
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(1)NSX SD-WAN by VeloCloudは、新たにVMware NSXシリーズに追加した製品である。買収したSD-WAN製品をベースとしており、NSXブランドで提供する。SD-WANとは、拠点に配備したエッジルーター機器の設定を集中管理できるようにする製品群であり、アプリケーションの種類に応じてネットワークの経路を変えるといったケースでよく採用されている。
(2)NSX Data Centerは、VMware NSXの機能群を提供する中核ソフトウェアであり、今回、名称をVMware NSXから変更した。仮想サーバー環境だけでなく、コンテナ環境やベアメタル環境(物理サーバー環境)をまとめて管理できるようにする。
(3)NSX Cloudは、VMware NSXの機能をVMware以外の技術を使っているパブリッククラウドでも使えるようにするクラウドサービスである。今回、管理対象を拡大し、これまでのAWS(Amazon EC2)環境だけでなく、Microsoft Azure環境を管理できるようにした。EC2やAzure上の仮想サーバーに専用の管理エージェントモジュールをインストールすることで利用できる。
(4)NSX Hybrid Connectは、それぞれ異なるバージョンのサーバー仮想化ソフトを使っているデータセンターやクラウド間で、それぞれ仮想サーバーをマイグレーションできるようにする製品である。NSX Hybrid Connectがバージョン間の差を隠ぺいする。