デルとEMCジャパンは2018年8月31日、説明会を開き、無線LAN製品を簡単に導入できるように導入支援サービスと組み合わせて提供するプログラムを同日付けで開始したと発表した。また、Dell EMCのネットワーク製品群の基本戦略として“オープンネットワーキング”を掲げ、ソフトとハードを分離して自由に組み合わせられるようにするといった施策に注力していることをアピールした。
デルとEMCジャパンは、無線LANアクセスポイント「Dell EMC Networking Aerohive」の関連サービスとして、設置工事や設定を代行する導入サービスを新たに提供する。NTTフィールドテクノと提携し、NTTフィールドテクノによる導入サービスを、デルとEMCジャパンが販売する形になる。無線LANアクセスポイント1台を設置して設定する費用(税別)は、6万9525円から(アクセスポイントの料金は含まない)。
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無線LANアクセスポイントの導入サービスを提供する背景について同社は、デル製PCを購入したユーザーを中心とした全国の中堅中小企業のユーザーから、「無線LANの導入に際して、きめ細かい納入・設定サービスの提供をしてほしい」というニーズが大きいことを挙げる。この需要に応えるメニューを標準化した。
NTTフィールドテクノは、今回の提携に合わせて、導入サービス(設置工事と、設定)だけでなく、オプションで導入後の保守サービスも提供する。通信がつながらなくなった際の障害の切り分けと復旧代行などのサービスを年額制で提供する。このうち、デルとEMCジャパンを通じて販売するのは導入サービスだけであり、保守サービスはNTTフィールドテクノがユーザーに販売する。
x86サーバー同様、ネットワーク機能もオープンにする
説明会ではまた、Dell EMCのネットワーク製品群の基本戦略として、“オープンネットワーキング”を掲げていることを説明した。
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同社は、ソフトとハードを自由に組み合わせられるx86サーバー機と同様に、ネットワーク機器もソフトとハードを自由に組み合わせられるようにするべきだと主張する。こうしたネットワークの姿を同社は“オープンネットワーキング”と呼ぶ。
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オープンネットワークを推進する柱として同社は、ネットワーク仮想化ソフトのVMware NSX、ホワイトボックス型スイッチ(汎用的なハードウェアスイッチに、様々なネットワークOSを自由に組み合わせて使うスイッチ)、制御プレーンとデータプレーンの分離、などを挙げる。
オープンネットワーキング構想を発表したのは2014年1月のこと。このタイミングで、ネットワークスイッチ構築用のLinux OSである「Cumulus Linux」の再販契約を、米Cumulus Networksとの間で交わした。同時に、Cumulus Linuxを搭載できるスイッチとして「S4810」を発表した。
2016年1月には、自社開発のネットワークOS「OS10」を発表した。同社が開発しているオープンソースのネットワークOS「Open Switch」にサポートサービスを付与したもので、上位エディションのEnterprise EditionではDell EMCのソフトウェアスタックを追加している。
現在では、オープンネットワーキング2.0へと進化しているという。OS10のEnterprise Editionのようなフル機能のパッケージではなく、L3スイッチ機能やインターコネクト機能、MPLS機能など、用途別に必要な機能だけを選んで購入できるようにしている。