NECソリューションイノベータは2018年9月19日、VR(仮想現実)技術によって、実態に近い災害現場を再現できる「NEC VR現場体感訓練システム for 防災」を発表した。2018年10月から提供する。専門家のノウハウによって、適切な防災活動の習得を支援する。価格(税別)は、ITリテラシーサポートを含んで98万円から。
NEC VR現場体感訓練システム for 防災は、VRを活用して、実際に災害現場にいるような臨場感のある環境を提供するとともに、適切な防災活動の習得に向けた訓練を支援するシステムである。災害現場に詳しい専門家や消防隊員のノウハウをベースに、火災や建物内の煙の影響を忠実に再現する。
複数台のVRヘッドセットを同時に使い、臨場感のある集団訓練を実施する。さらに、避難行動や避難姿勢の判定結果をメッセージとして警告する。これにより、正しい避難方法を学ぶことができる。
スマートフォン型やスタンドアローン型のVRヘッドセットにも対応し、子どもの目の発達への影響に配慮した単眼機能を備えているため、様々な集団訓練に手軽に取り入れられる。
具体的には、煙の回り方や速度など、消防隊員や防災専門家の経験に基づいた実態に近い現場の状況をVR技術により再現している。これにより、屈むことや歩行、ほふく前進など、実体験することが難しい災害現場の状況を、体感できるようになる。
消防隊員や防災専門家の体験に基づいたルールを組み込み、適切な避難姿勢や災害現場で行ってはならない行動を判定する。これによって、煙を避けるには思っている以上に屈まないといけない、煙の回りが思っている以上に速い、屈むと素早く避難できなくなり焦ってしまう、いざとなると非常出口がわからなくなるなど、様々な気付きを得ることを支援する。
NECソリューションイノベータは、全国の消防・防災関連団体や一般企業の防災部門などに向けて、今後2年間で50セットの販売を目標にする。