[市場動向]

SAPが「社外AI倫理諮問委員会」を設置、欧州のIT企業で初

2018年10月12日(金)IT Leaders編集部

独SAPは2018年9月18日、AI(人工知能)に関する行動規範を記したガイドラインを刷新し、欧州のテクノロジー企業で初となる外部AI倫理諮問委員会を設置したと発表した。研究機関、官公庁、産業界からの専門家で構成される同委員会は、SAPの開発、戦略、人事部門幹部からなる社内のAI運営委員会と連携して原則を採用し、さらにそれらの開発を行うという。

 SAPジャパンが2018年10月12日付けで発表した資料によると、SAPは、AIに関する行動規範を記したガイドライン(画面1)の刷新に伴い、欧州のIT企業で初となる外部AI倫理諮問委員会を設置。取り組みでは、同社の「SAP Leonardo Machine Learning」によってサポートされるAI機能が、SAPのすべてのソリューションにおいて完全性と信頼性の維持のために使用されることが確実に遂行されることを目指しているという。

画面1:SAPのAI行動規範ガイドラインは7つの項目からなる(https://www.sap.com/products/leonardo/machine-learning/ai-ethics.html)
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 SAPのCFO(最高財務責任者)でエグゼクティブボードメンバーのルカ・ムチッチ(Luka Mucic)氏は次のようにコメントしている。「SAPはデータの倫理的利用をコアバリューとみなしている。私たちがインテリジェントエンタープライズを実現可能にし、人々の生活を実質的に向上させるソフトウェアの作成を目指す際、こうした指針が人材を補強するテクノロジーとしてAIを活用するための基礎となる」

 SAPによると、新ガイドラインは、企業として最高レベルの倫理基準を順守するためのコミットメントであり、SAPが適用するコアバリューがビジネスの偏見を排除するとともに、透明性と完全性を維持しつつ、品質と安全を向上させることを示すものだという。「これらの指針によって、SAPはデータ保護とプライバシーの侵害を許すことなく、AIのより広範な社会的課題の解決に取り組むコミュニティへ積極的に参加することができる」(同社)

 SAPは外部AI倫理諮問委員会メンバーとして、エアランゲン=ニュルンベルク大学 組織神学(倫理学)教授 神学博士 ペーター・ダブロック(Peter Dabrock)氏、ドイツ工学アカデミー(acatech)会長・評議員 博士 ヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)氏、スタンフォード大学 公共政策・公法 講師のスーザン・リオトー(Susan Liautaud)氏ら5名を公表。今後数カ月で数人が追加される予定という。

 リアトード氏は次のようにコメントしている。「AIは大きな可能性を生む一方、前例がなく、しばしば予測不可能な社会と人間の倫理的課題ももたらす。AI倫理諮問委員会は、AIが確実に倫理的に利用され、人類に役立ち、社会に貢献できるようにする」

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