三越伊勢丹グループは、米オラクルのデータベースサーバー専用システム「Oracle Exadata Database Machine」を導入し、顧客データや商品データを一元的に管理する基盤を新たに構築した。Oracle Exadataを提供する日本オラクルが2019年2月7日に発表した。
三越伊勢丹グループは従来、データウェアハウス(DWH)専用システムを使って分析用データを管理していたが、高い保守・運用コストやリソースの制約などが課題となっていた。そこで、新たなシステム基盤として「Oracle Exadata Database Machine」の導入を決定した。
導入プロジェクトは2018年2月に立ち上げた。従来システムで使っていたアプリケーションの改修、データ移行、並行運用を経て、2018年11月下旬に完全移行した。移行の結果、従来と同等以上の性能を発揮しながら、システムの運用費を従来と比較して約30%削減した。ハードウェアの専有面積は65%削減した。
統合ファイルサーバー用途として「Oracle ZFS Storage Appliance」も活用している。バックアップ用途も兼ねている。
今回の顧客/商品データ分析基盤の移行プロジェクトは、三越伊勢丹グループの情報戦略を担うシステム子会社の三越伊勢丹システム・ソリューションズと、SIベンダーの新日鉄住金ソリューションズが担当した。
Oracle Exadataに移行した分析用のアプリケーションは、すべてスクラッチで自社開発したもので、利用人数も大規模だったという。通常営業で利用しながらの移行計画だったが、ユーザーが利用する機能には影響を出さずに短期間で移行を完了できたとしている。
今後は、百貨店グループのクレジットカードであるエムアイカードの顧客購買データと様々なデータを連携させる。これにより、顧客ごとに精度の高いマーケティング施策を図っていく。
三越伊勢丹システム・ソリューションズは、分析基盤の移行で得られたノウハウを踏まえ、Oracle Exadataへの移行を検討中の企業を対象にサービスを外販する。