NECは2019年6月5日、AIを搭載したRPA(ロボットによる業務自動化)ソフトウェア「WorkFusion Smart Process Automation」を発表した。ロボットが人の判断を継続的に学習するという。日本、米国、アジア太平洋などグローバルで販売を開始する。開発会社は、米WorkFusion。2019年6月7日から販売する。価格(税別)は、10プロセス12カ月で3000万円。
WorkFusion Smart Process Automationは、RPAソフトである。最大の特徴は、業務プロセスを遂行する過程で人が判断・修正した内容を、ロボットが自動的かつ継続的に学習することである。これにより、ロボットが業務遂行できる範囲が拡がり、より業務の効率化を進めることができるとしている。
人的な判断が必要な業務は、従来型のRPAソフトでは対応が難しかった。一方、WorkFusion Smart Process Automationでは、業務プロセスで発声する人の判断を、ロボット開発者が事前に作りこんでおかなくても、自己学習して反映するという。これにより、自動化の範囲が拡大する。
自己学習の例として、帳票から業務に必要な特定の情報を抽出する作業がある。初めて見るレイアウトの帳票であっても、新たにロボットを作成することなく、人の判断やオペレーションから継続的にロボットが学習する。また、OCR(光学文字認識)、傾向分析、ワークフロー機能などをワンパッケージで提供する。これらによって、人の作業も含めた業務プロセス全体を自動化する。
事例の1つとして、NECグループ内の共通業務を担うNECマネジメントパートナーが、WorkFusion Smart Process Automationを経理・財務業務に適用した。この結果、非定型フォーマットの帳票から目的の情報を抽出する作業を93%自動化でき、人が行っていた手作業の時間を45%削減した。