ユビキタスAIコーポレーションは2019年6月6日、CPUにRISC-Vを採用した組み込み機器に向けて、同社のリアルタイムOS「TOPPERS-Pro/ASP」をRISC-V環境で動作するようにしたと発表した。
ユビキタスAIコーポレーションの「TOPPERS-Pro/ASP」は、組み込み機器に適したリアルタイムOS(RTOS)である。TOPPERS新世代カーネル統合仕様に準拠している。Linuxを採用しづらい小規模システムや、従来のマイコン搭載機器の置き換えといった用途に適する。IoT機器の高性能化と低価格化に役立つとしている。
今回、TOPPERS-Pro/ASPが稼働するアーキテクチャとして、RISC-Vを追加した。RISC-V準拠のCPUを搭載した機器の上でTOPPERS-Pro/ASPを動作させることができる(表1)。
RISC-V |
Cortex-M0/M3/M4/M7 |
Cortex-R4/R5 |
Cortex-A7/A8/A9/A53 |
ARM7/9/11 |
ARC EM |
SH1/2/2A/4/4A |
H8/H8S/R8C |
M16C/M32C/M32R |
RX610/62N/64M |
RL78 |
V850 |
NiosII |
MicroBraze |
Atom |
RISC-Vは、カリフォルニア大学バークレー校で開発が始まり、現在は非営利団体RISC-V Foundationが管理しているオープンな命令セットアーキテクチャ(ISA)である。最大の特徴は、ARMなどと異なり、ISAを使用するためのライセンス料が不要なことである。
半導体ベンダーは、RISC-Vを利用することで、プロセッサを安価に提供できるようになる。このプロセッサを採用するIoT機器メーカーは、IoT機器の製造コストを抑えたり、低減分の費用を使った機能追加や高性能化によってIoT機器の付加価値を上げたりできる。