第一生命保険は2019年6月12日、コンタクトセンターの応対品質向上を目的に、IBM Watsonを活用したコンタクトセンター支援システムを導入すると発表した。顧客との通話内容に応じて、回答候補となるFAQをリアルタイムに提示する。発生頻度の低い問い合わせにも適応できる。
コンタクトセンターシステムは、IBM Cloudの東京データセンターに配置した。2019年4月から一部の応対者(コミュニケーター)を対象に先行で活用を開始している。2019年10月以降に順次対象を拡大し、全170人のコミュニケーターへと展開する予定である。
システムの稼働環境として、コンテナとKubernetesをベースとした「IBM Cloud Kubernetes Service」を採用した。これにより、保険業務に耐えうる高可用性を実現したとしている。また、問い合わせの集中、新商品の登場、法改正といった要因にも柔軟に対応できるとしている。
IBM Watsonの「意図分類機能」も活用する。通話内容に合わせたFAQ候補を、識別しやすく画面上にカラー表示する。発話をクラス分けすることで、問い合わせ内容に類似したFAQ候補を簡単に選べるようにする。
さらに、IBM Watsonの「情報探索機能」を組み合わせることで、学習量の少ないFAQに対しても、キーワードによる類似検索を実施する。これにより、正答率を高められる。