IDC Japanは2019年9月30日、2019年第2四半期の国内サーバー市場動向を発表した。売上額は、前年同期比でマイナス成長となった。製品別ではx86サーバーが前年同期比で僅かに減少、メインフレームとその他のサーバーが前年同期比2桁のマイナス成長となった。カンパニー別の売上額では富士通が首位を維持した。出荷台数はNECが首位を維持した。
2019年第2四半期の国内サーバー市場は、市場全体の売上額が1090億円で、前年同期から6.0%減少した。出荷台数は12万台で、前年同期から2.5%増加した。
x86サーバーは、売上額が前年同期比0.9%減の929億円だった。出荷台数は、前年同期比2.8%増の11万9300台だった。x86サーバーのうち、「Standard Server」(ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバー)は、売上額が前年同期比5.3%増の809億円、出荷台数は、同10.2%増の10万3800台だった。
一方、x86サーバーのうち、「Custom Server」(主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバー)は、売上額が前年同期比29.0%減の120億円、出荷台数は、同29.0%減の1万5500台だった。
Standard Serverは、流通、文教、金融、ヘルスケア、製造向けの大口案件があり、売上額、出荷台数共にプラス成長となった。一方、Custom Serverは、ODM Directを中心に、クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少し、売上額、出荷台数共にマイナス成長となった。Custom Serverの売上額がマイナス成長となったことが、x86サーバー全体の売上額がマイナス成長となった要因となった。
メインフレームは、売上額が前年同期比19.4%減の106億円だった。金融、製造、流通向けの大型案件などがあったが、メインフレーム市場を牽引するほどの規模には至らず、2桁のマイナス成長となった。その他のサーバーは、売上額が前年同期比39.7%減の55億円だった。金融、官公庁、製造向けの大型案件があったが、前年同期にあった金融や製造向けの大型案件の反動で2桁のマイナス成長となった。
カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持した(図1)。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デルテクノロジーズ(Dell Technologies)、日本IBMの順だった。日本IBMは、前四半期から順位を1つ上げ5位となった。出荷台数は、NECが首位を維持した。次いで、富士通、HPE、Dell Technologies、日立製作所の順だった。上位5社の順位に変動はなかった。